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経営戦略を考える際には、まず船を置く位置を見定める

土井(2023)は、経営者や事業リーダーが戦略を考える際に行うべきことは、外部環境という川の流れを読み、どこに自分たちの船を置けばスーッと前に進んでいくのか、その適切な場所を見定めることだという。川の流れが速すぎるところに船を置くと、船に負担が…

朱子学・陽明学が説く儒教的な宇宙認識とは

小倉(2012)によれば、儒教の中でも朱子学は、変革と躍動と生命の思想であり、陽明学は、朱子学を継承しつつそれを批判・超克した「心の哲学」である。朱子学で最も重要な概念が「理」と「気」で、陽明学では「良知」や「万物一体の仁」に重点が移行する。た…

ベルグソンとドゥルーズの生成変化の哲学

斎藤(2022)は、フランス現代思想のキーワードが「差異」であることをふまえると、『創造的進化』などの著作によって時間の流れを意味する「持続」を鍵概念とした哲学を展開したベルグソンが現代思想の汲めども尽きぬ水脈になっていることは間違いないといい…

生物は流れている

更科(2019)は、生物の体は物質の流れだという。例えば、自動車と生物を比べてみるならば、自動車は動かすためにはエネルギーが必要で、エネルギーが流れているといえるが、自動車という物質は流れていない。一方、生物の場合は、エネルギーだけでなく物質も…

動的平衡という「流れ」

福岡(2017)は、分子生物学の観点から、生命というのを分子レベルでとらえた場合に、デカルト的な機械論生命観とはまったく異なる様相を示していることを説明している。動的平衡という流れとしてとらえるそのような生命観とは、どのような姿なのかについて、…

哲学・倫理の書として読む「易経」

松枝・竹内(1996)によれば、易経(周易)は、最初は運勢を判断する言葉を集めただけのものであったが、後になって言葉の注釈や周易全体を統一的に解釈するための理論が展開され、次第に哲学書としての体裁を整えるようになった。これらの注釈や易理論を編纂…

易で兆しを読む方法

河村(2008)は、易は「機」の哲学だという。易の別名を「変易」ということとも関連している。万物は、一刻も休まずに生成し化成し常時変化してやまない。こうした止どまるを知らず常に変わり続ける動きを重視するのが易の基本的な姿勢だというのである。具体…

易の構成

川村(2008)によれば、易は、この世の森羅万象は8つの要素で成り立つとし、それぞれに自然や人間関係、あるいはその性質・性状などをあてはめ、それで私たちの周りに起こるあらゆる現象を解明し説明しようと試みたものである。その核となるのが、陰陽の考え…

易はどのようにして出来上がったのか

黄(2004) は、易占いに用いられる周易というものが、三千年ほど前に中国でどのようにしてできあがってきたのかについて、以下のように説明している。 まず、その時代に生まれた中国の人々の意識に強烈な印象を与えたものは、「天」と「地」であったはずであ…

時間は未来から過去に流れる

多くの人は、時間は過去から現在へ、そして未来へと流れるというように考えるのではないだろうか。しかし、主に認知言語学的視点から時間を考察する瀬戸(2017)によると、このイメージは錯覚である可能性が高い。むしろ、様々な認知言語学的証拠によって、わ…

「人間万事塞翁が馬」に学ぶ中国思想

中国のことわざに「人間(じんかん)万事塞翁が馬」というものがある。金谷(1993)によれば、これは『淮南子』に出てくる「塞翁が馬」から来ている。国境の砦のほとりにひとりの老人がおり、ある時飼っていた馬が逃げてしまった。人々がおくやみをいうと、「…

「論理とは流れ」であり「流れとは論理」である

加藤(2013)は、数学と音楽は似ているという話から入り、その理由として、数学では「論理」が決まって「流れ」を構成し、それは音楽的な「流れ」とよく似たものであるといい、その後、「論理とは流れ」であり「流れとは論理」であるという説を展開している。…

易の基本思想と易占い

易は占いに用いられたり哲学的に語られたりするが、易の基本思想は、世界や人生の「構造」を表現することだと岡本(2015)は指摘する。岡本によれば、易には3つの意味が含まれている。それは、「易簡」「変易」「不易」である。「易簡」とは、世の中のものは…

波乗りの戦略思考

田坂(2014)は、世の中の変化が急激かつ非連続になり、企業や組織をめぐる環境が予測不能な形でめまぐるしく変化する時代に必要なのは「波乗りの戦略思考」だと説く。これは、あたかもサーフィンで波に乗るときのように、刻々変化する波の形を瞬時に体で感じ…

易が教える「開運十徳」の実践で人生を悠々と生きる

小田(2016)は、易の思想とは、どんな運気の流れにおいても悠々と生きていく智慧を教えてくれるものであると説き、「易のメッセージを静かに受け取れば、自分の人生航路に納得したり、新たな船出をすることができるようになるだろう」としたうえで、易が教え…

易を学ぶ理由

安岡(2008)によれば、易は「人間科学」「人生科学」である。易は決して、人間の予定された宿命を判断するものではない。むしろ、易は「変わる」ということであるから、宇宙の創造変化に則して普遍の法則をたずね、その法則に基づいて、自己・環境をいかに変…

易学の基本概念

安岡(2008)は、易を学ぶ心構えとして、小なる自我にとらわれず、眼を大きく開いて(活眼を開いて)この大宇宙、造化のはたらきに心を傾け、達観することが大切だと説く。言い換えれば、偉大な「天」というものに眼を向けるということである。ここでいう「天…

日本人の歴史観

佐伯(2014)は、日本の歴史観というものは、「おのずと物事が流れて変わっていく」というものだと論じる。歴史を動かすものは別に人間の理性でもなく、「神」の意図でもなく、ほとんど偶然と呼ぶものだが、それぞれの出来事や勝敗や動きは偶然だけれども、も…

無限の過去から無限の未来へと流れていく直線的時間という幻想

私たちは、時間というものが、無限の過去から無限の未来に向けて一方的に流れていくものだと思っている。これは、年間を365等分した直線状の時の流れが、過去・現在・未来へ連綿と継起すると想定される通常の時間規制である。そして、それは人間が存在す…

運の正体を知って人生に生かす

運(あるいは運勢)が良い、悪いという言葉があり、実際、「運」や「運命」は人生に大きな影響を及ぼしているように思える。では、運というのは、どうしようもないものなのだろうか。ここで、運の正体をよりよく理解して、人生に生かす方法について考えてみ…

流れを自分のものにする方法

桜井(2008)は、サーフィンは、波の動き、潮の流れ、風の流れといったものをいかに巧みにとらえるかが勝負であるといい、魚や鳥はこうしたことを本能でやるという。気流や潮の流れを巧みに体でとらえ、一体となり、人間には想像もつかない距離を泳いだり飛ん…

流れを読み、ツキを味方にする方法

桜井(2010)によれば、ツキとか運には3種類ある。まず、天から授かる「天運」で、これは人間の力ではどうにもならない。もう1つ人間の力ではどうしようもないのが「知運」である。これは場所につく運である。この2つは「自然」から与えられる運であるが、…

手離すことで流れを味方につける

桜井(2010)は「人間は柔らかく生まれ、硬くなって死んでいく」という。得る一辺倒で手離そうとしないから思考も体もどんどん硬くなり、身動きがとれなくなって死んでいくというのである。裏を返せば、柔らかく生きていくには手離すことが大切だということに…

認知言語学で理解する「流れ」の概念

「流れる」を使った言葉にはいろいろあるが、その中に「川が流れる」「桃が流れる」がある。一見すると、自然な表現であるが、冷静に考えてみると不思議な言葉でもある。西村・野矢(2013)によれば、これは認知言語学で扱うメニトニー「隣接の関係に基づく比…

易占いのひとつの解釈

中国で古くから伝わってきた易占いには、「当たるも八卦 当たらぬも八卦」という言葉がある。占いであるからには、何かを占う(予測する)ということになるのだろうに「当たるも八卦 当たらぬも八卦」とはどういう意図があるのだろうか。 いろんな解釈があろ…

変化を作りだせる企業

古森(2013)は、激しく変化する今日の時代において、変化にいかに対応し、舵取りをしていくかが21世紀における経営の最大の課題だという。そして、このような時代に勝ち続ける企業は、変化にすばやく、うまく対応できる企業であり、そこからさらに進んで、…

自然に注目し無為を主張する老荘思想

叢ら(2013)は、中国の春秋・戦国時代という弱肉強食の世で智慧が何よりも求められた時代にあって、政治や法律、兵法などの競争の思想とは相反して、自然に注目し、無為を主張する思想として道家思想が生まれたと解説する。 道家思想の根幹をなす概念は文字通…

グローバル・マクロの中で「風」を感じ取る方法

原田(2013)は、グローバルなビジネスの現場で最大の収益を上げていくために何よりも必要なのは、グローバル・マクロ(国際的な資金循環)の中で「風」を感じ取る能力であるともいう。海外ビジネスを展開する場合、マネーが湧き出ているところをピンポイント…

ストーリーテリングのメカニズム

ビジネスや経営の世界でも「ストーリー(物語)」を活用することについての効用への注目が高まっている。では、「ストーリー」もしくは「ストーリーテリング」がいかなる形で効果をもたらしうるのであろうか。中原・長岡(2009)は、ストーリーの効用を理解す…

「生きた自然」への驚きを数理の言葉に乗せる非線形科学

蔵本(2007)は、現代科学はこれまでもっぱら「命をもたないもの」を対象とし、それを扱うのにもっともふさわしい強力な方法を開発してきたという。その方法はものごとをいったんばらばらな構成要素に分解することで理解が得られるようにするというものである…