2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

論文作成で日本人が習得すべき「アンパッキング」と「理由warrant」の技法

吉岡(2015)は、「シカゴ・スタイル」という世界標準の論文作法に基づいた文章上達術を説いているが、その中で、日本人や初心者が苦手なものとして「アンパッキング」と「説明(warrant)」を紹介している。 アンパッキングとは、自分がいったん述べた内容を、…

最尤推定法を理解する

回帰分析における最小二乗法は理解していても、一般化線形モデルなどにおける最尤法について理解できていないというケースも多い。久保(2012)によれば、最尤法もしくは最尤推定は、統計モデルのパラメータを推計する方法の1つであり、尤度というモデルの当…

非常に使い勝手が良い統計モデル:GLMとGLMM

GLM(Generalized Linear Model:一般化線形モデル)およびGLMM(Generalized Linear Mixed Model: 一般化線形混合モデル)は、広範囲に適用可能で非常に使い勝手が良い統計モデルである。GLMやGLMMでは、いわゆる最少二乗法を用いる回帰分析やロジスティック分…

よい研究トピックとは、よいリサーチクエスチョンとは、よい仮説とは

研究をするうえでまず決める必要があるのが、何について研究するのかという研究トピックであり、何を明らかにしたいのかというリサーチクエスチョンもしくは研究目的である。これは、とりわけビギナーにとっては、簡単に見えて意外と難しい。 まず、研究トピ…

「説明」と「解釈・理解」はどう違うか

保城(2005)は、「説明(explanation)」とはいったいなにかという問いを発し、説明という概念は3つの意味で使用されていると主張する。1つ目は「因果関係の解明」という意味であり、多くの実証主義者の間では主流となっている見方である。説明される現象(被…

いわゆる「理論」と「中範囲の理論」はどう違うか

保城(2005)によると、「理論」とは一般的に以下のように定義される。「繰り返して現れる(と考えられる)個々の現象を統一的に、単純化・抽象化されたかたちで説明でき、十分に検証もされている体系的知識」。この意味で、理論構築を目指す研究は、「法則定…

易が教える「開運十徳」の実践で人生を悠々と生きる

小田(2016)は、易の思想とは、どんな運気の流れにおいても悠々と生きていく智慧を教えてくれるものであると説き、「易のメッセージを静かに受け取れば、自分の人生航路に納得したり、新たな船出をすることができるようになるだろう」としたうえで、易が教え…

最尤法と最小二乗法が母集団の確率分布が正規分布のときに同じになる理由

馬場(2015)によれば、最小二乗法とは、残差平方和(実際の値と予測値との差の二乗和)を最小にするようなパラメタを統計モデルに用いることである。一方、最尤法とは、尤度(そのデータが得られる確率)が最大になるようなパラメタを統計モデルに用いること…

分散分析・回帰分析を理解するために自由度・偏差平方和・平均平方の概念を頭に叩きこむ

そもそも、分散分析とは何だろうか。分散を分析することで何がわかるのだろうか。馬場(2015)によれば、分散分析は、「選択肢を変えることによって、平均値(期待値)が変わるか?」を検定したいときに使うという。このような理解は、回帰分析にも当てはまる…

モデルとは何か、統計モデルとは何か

研究の世界では、理論やモデルが登場するが、この中の「モデル」とはいったいなにか。これについて、馬場(2015)は次のように説明する。そもそも、世界は複雑である。そこで、この複雑な世界を人間が理解できるようにするには、単純化することが必要になる。…