2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧
本田(2009)は、日本的雇用の特徴として、浜口(2009)の次の指摘を挙げている。まず、日本の労働市場では、正社員と非正社員の世界が、相対立する原理によって成り立っているという。正社員は、担当する職務=ジョブの範囲が明確でなく、企業という組織に所属…
濱口(2009)によれば、職務と結びついた雇用ではなく、組織へのメンバーシップ雇用を中心とする日本企業においては、職務と賃金をリンクすることは困難である。よって、賃金は担当職務とは基本的に切り離されている。その代わりに用いられる指標としては、勤…
1980年代、不況にあえぐ米国企業にとって、競争力を取り戻すためのお手本となったのが、日本の雇用慣行であった。いわゆる、終身雇用、年功序列、企業内労働組合の三種の神器に代表される日本的雇用慣行は、その企業の競争力にもたらす長所が分析され、アメ…
戦略的人的資源管理論(SHRM)では、アメリカをはじめとする世界各地の雇用慣行が、株主志向、人材の流動化、雇用の外部化などを特徴とするマーケット志向型に傾きつつあるのに対し、安定雇用や教育投資などを重視する組織志向型の雇用慣行(HPWS)の優位性が説…
人間のモティベーションを要素に分解するとするならば、(1)方向性(何を選択するのか、何を行うのか)、(2)強度(どれほどの努力を注ぎ込むのか)、(3)持続性(どれだけ維持するか)に分けることができるでしょう。 このようなモティベーションの特…
Jacoby (2004) concludes that much more diversity in the approach to human resources management is found in American firms than in Japanese firms. Human resources management systems of Japanese firms are partially moving from organization-o…
学問上、それぞれ独立して発展してきたが、お互いに似たようなテーマを扱っており、関連性がありそうな複数の理論があったりする。これは、それらの理論を作ってきた人々が、異なる学問的修行を積んできたり、異なる学問の集団に属してきたりしてきたために…
Kehrは、モティベーションを、(1)潜在的動機(implicit motives)、(2)顕在的動機(implicit motives)、(3)能力感(perceived abilities)の3つの要素によって構成されるものとして考えるモデル「補償モデル(compensatory model)」を提唱しています。 潜在的動機…
モティベーション研究で有名な古典的な理論として、期待理論があります。期待理論は端的に言えば、努力した結果、望ましいものが手に入る主観的な確率が、その人のモティベーションの強度を決定するというものです。最近、この期待理論をサブコンポーネント…
調査結果を得たときに、「これはモノになるのではないか」と直感的に感じることがある。その理由の1つは、調査および結果、そしてそれにつながるストーリーのオリジナリティが高そうだということと、結果が知的に面白く、かつ実践に与える示唆に富んでいそ…
査読結果を読み、困難に思える問題点を克服しながらも、なんとか再投稿用の原稿を仕上げるまでにはものすごく時間がかかるものだが、査読者に対して修正を説明する手紙を書くのにも、これと同じくらいの時間と労力が必要なのである。通常、査読者は3名ほど…