2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

水のような組織

守屋(2004)は、逃げることや退却を支柱とした戦略や組織を「孫子」と絡めて解説している。例えば、一見するとネガティブな「逃げ」や「退却」をうまく活用し、自己の勢力を維持・拡大しながら、やがて強大な敵を倒してしまう。その核心を一言でまとめると「…

「勢い」の重要性

守屋(2004)は、孫子の「善く戦う者は、その勢は険にして、その節は短なり・・・(激しい勢いに乗じ、一瞬の瞬発力を発揮するのが戦上手の戦い方だ。弓にたとえれば、引きしぼった弓の弾力が「勢い」であり、放たれた瞬間の矢の速力が「瞬発力」である)」を…

数学と音楽と美的感覚と「流れ」

加藤(2008)は、数学が持つ美しさには、対象性やシンプルさといった「空間的」なもの(視覚的なもの)の他に、「時間的」なものがあると思うという。それは特に、証明などの「論理」の構造に感じられ「流れ」として認識される。例えばユークリッド幾何学の芸…

モデルの妥当性を判断する

数学の歴史的展開を分かりやすく解説する加藤(2007)によると、数学の場合、例えば無限概念が用いられるもののように、モデルが正しいか正しくないのかは、観察することによっては判定できない。 物理学や化学などの自然科学なら、自然現象を説明するために、…

人生は相場だ

中島(2002)は、中国古典の名作「菜根譚」の次の一節を紹介している。 地位はあまり上がらないほうがよい。昇りつめると陥穽が待ちうけている。 才能はほどほどに発揮したほうがよい。出し尽くすと、あとが続かなくなる。 立派な行いも、ほどほどにしたほうが…

変化を見抜く能力

中島(2002)は、直観を鋭くするためには5つのカンを磨けとして、変化の前に必ずある予兆を見抜く能力を構成する要素として「観・看・鑑・関・感」の5カンを挙げている。 1つ目は、広い視野で現象を確かめる「観」。2つ目は変化をとらえ、その先を追い求める…

ゲーム理論と「時間の流れ」

川西(2009)は、ゲーム理論の解説書の中で、ダイナミック・ゲームすなわち「動きがある」「時間の流れがある」ゲームについて説明している。 ダイナミックゲームとは「時間が経過するとともに、展開が変わっていくゲーム」をさす。たとえば、意思決定のタイミ…

巡環の思想

中野(2009)は「循環」とは異なる「巡環」という言葉を用いて、巡環力を説いている。 中野によれば、人は目に見えない何かを、いつも他人や自分と巡らせている。この巡らせているものの質によって、目に見えるものが作られていると考える。この巡りを「巡環」…