2016-01-01から1年間の記事一覧

物語分析とは何か

田村(2016)によれば、物語分析とは、単独・理論事例を対象に「結果発生過程のダイナムズムを追う」分析手法である。単独・理論事例とは、統計分析のように複数のデータを比較するものではなく、また、歴史研究のように個別的かつ具体的な「事件」の連なりを…

持続的に研究業績を出し続けるための長期戦略

研究者にとって、研究成果を論文化しジャーナルに掲載させ続けること、すなわち研究業績を出し続けることは重要である。しかし、さまざまな理由によって、持続的に研究成果を出し続けることには困難が伴う。例えば、博士論文で取り組んだ研究テーマはしばら…

学術論文を量産する方法

研究者にとって、研究成果を論文として学術雑誌に掲載させることは重要な使命である。では、どうすれば学術論文を量産できるのだろうか。Campion (2011)は、学会賞授賞式でそのためのコツを伝授している。 研究生産性を高める方法 ハードワーク、長時間ワー…

易の基本思想と易占い

易は占いに用いられたり哲学的に語られたりするが、易の基本思想は、世界や人生の「構造」を表現することだと岡本(2015)は指摘する。岡本によれば、易には3つの意味が含まれている。それは、「易簡」「変易」「不易」である。「易簡」とは、世の中のものは…

査読論文投稿後の最初の関門「首尾一貫テスト」

Hodgkinson (2016) によれば、査読ジャーナルのエディターや経験豊富な査読者は、たった数分で、投稿論文が掲載されるポテンシャルを有しているのかを判断するためのテスト方法を知っている。投稿された論文がこれを通過できなければ、投稿論文や査読に回さ…

波乗りの戦略思考

田坂(2014)は、世の中の変化が急激かつ非連続になり、企業や組織をめぐる環境が予測不能な形でめまぐるしく変化する時代に必要なのは「波乗りの戦略思考」だと説く。これは、あたかもサーフィンで波に乗るときのように、刻々変化する波の形を瞬時に体で感じ…

論文作成で日本人が習得すべき「アンパッキング」と「理由warrant」の技法

吉岡(2015)は、「シカゴ・スタイル」という世界標準の論文作法に基づいた文章上達術を説いているが、その中で、日本人や初心者が苦手なものとして「アンパッキング」と「説明(warrant)」を紹介している。 アンパッキングとは、自分がいったん述べた内容を、…

最尤推定法を理解する

回帰分析における最小二乗法は理解していても、一般化線形モデルなどにおける最尤法について理解できていないというケースも多い。久保(2012)によれば、最尤法もしくは最尤推定は、統計モデルのパラメータを推計する方法の1つであり、尤度というモデルの当…

非常に使い勝手が良い統計モデル:GLMとGLMM

GLM(Generalized Linear Model:一般化線形モデル)およびGLMM(Generalized Linear Mixed Model: 一般化線形混合モデル)は、広範囲に適用可能で非常に使い勝手が良い統計モデルである。GLMやGLMMでは、いわゆる最少二乗法を用いる回帰分析やロジスティック分…

よい研究トピックとは、よいリサーチクエスチョンとは、よい仮説とは

研究をするうえでまず決める必要があるのが、何について研究するのかという研究トピックであり、何を明らかにしたいのかというリサーチクエスチョンもしくは研究目的である。これは、とりわけビギナーにとっては、簡単に見えて意外と難しい。 まず、研究トピ…

「説明」と「解釈・理解」はどう違うか

保城(2005)は、「説明(explanation)」とはいったいなにかという問いを発し、説明という概念は3つの意味で使用されていると主張する。1つ目は「因果関係の解明」という意味であり、多くの実証主義者の間では主流となっている見方である。説明される現象(被…

いわゆる「理論」と「中範囲の理論」はどう違うか

保城(2005)によると、「理論」とは一般的に以下のように定義される。「繰り返して現れる(と考えられる)個々の現象を統一的に、単純化・抽象化されたかたちで説明でき、十分に検証もされている体系的知識」。この意味で、理論構築を目指す研究は、「法則定…

易が教える「開運十徳」の実践で人生を悠々と生きる

小田(2016)は、易の思想とは、どんな運気の流れにおいても悠々と生きていく智慧を教えてくれるものであると説き、「易のメッセージを静かに受け取れば、自分の人生航路に納得したり、新たな船出をすることができるようになるだろう」としたうえで、易が教え…

最尤法と最小二乗法が母集団の確率分布が正規分布のときに同じになる理由

馬場(2015)によれば、最小二乗法とは、残差平方和(実際の値と予測値との差の二乗和)を最小にするようなパラメタを統計モデルに用いることである。一方、最尤法とは、尤度(そのデータが得られる確率)が最大になるようなパラメタを統計モデルに用いること…

分散分析・回帰分析を理解するために自由度・偏差平方和・平均平方の概念を頭に叩きこむ

そもそも、分散分析とは何だろうか。分散を分析することで何がわかるのだろうか。馬場(2015)によれば、分散分析は、「選択肢を変えることによって、平均値(期待値)が変わるか?」を検定したいときに使うという。このような理解は、回帰分析にも当てはまる…

モデルとは何か、統計モデルとは何か

研究の世界では、理論やモデルが登場するが、この中の「モデル」とはいったいなにか。これについて、馬場(2015)は次のように説明する。そもそも、世界は複雑である。そこで、この複雑な世界を人間が理解できるようにするには、単純化することが必要になる。…

なぜ世の中の分布の多くは正規分布に従うのか

正規分布というのは、富士山のように頂点があって裾野が広くて左右対称な分布である。そして、神秘的なことに、世の中の多くの分布が正規分布に従うといわれている。例えば、小学生や中学生の同一学年に全国学力テストを一斉に行ったとすれば、得点の分布は…

ノーベル賞につながる論文はどのように生まれたか

研究者の中には、何年もかけてたった1本の論文しか出版できないという人もいる。恐ろしく生産性が低いのではないかと思うであろう。しかし、それがノーベル賞を受賞するきっかけとなる論文だとしたらどうであろうか。恐ろしく生産性の高い、というか世界を…

説明の重要性

経営学に限らず、理論の重要な役割は、現象を「説明」することである。しかし、この「説明」によって付加価値を出すことはなかなか難しい。新しい説明は「発見」である。発見は、なにか新しい事実を見つけることのみを指すわけではない。むしろ、経営学を含…

経営学者のジレンマ

経営学は、企業経営の役に立つべきであるという社会通念があり、かつ、それが大学がビジネススクールを所有することの理由ともなっている。しかし、経営学を発展させることを職業とする経営学者は、ある種のジレンマに陥る宿命を負っているといえる。それは…

回帰分析もロジスティック回帰分析も一般化線形モデルに含まれる理由の直感的理解

回帰分析とロジスティック回帰分析は、一見すると式の形や、結果のグラフの形状から見て、全く異なる分析のように思われる。しかし、両方ともに、一般化線形モデルに含まれる。特に、ロジスティック回帰分析は、線形モデルなのかという疑問が出てくる。なぜ…

z検定、t検定、回帰係数の検定の関係についての直感的理解

西内(2014)は、z検定、t検定、回帰係数の関係について直感的な理解を助ける説明をしている。まず、検定を考える前に、変数の分布を考える。チェビシェフの不等式によれば、データのばらつきがどのようなものであり、変数の平均値±2標準偏差までの範囲内に、…

経営学の国際化が困難な理由

経営学や社会科学一般の国際化が困難な理由として、1つ目としては、そもそも、自然現象と異なり、社会現象というのは、言語が介在することで成立するものであるから、そこで使用される言語に代替が効かないとする視点がある。 社会科学分野の国際化が困難な…