学術論文を量産する方法

研究者にとって、研究成果を論文として学術雑誌に掲載させることは重要な使命である。では、どうすれば学術論文を量産できるのだろうか。Campion (2011)は、学会賞授賞式でそのためのコツを伝授している。

研究生産性を高める方法

ハードワーク、長時間ワーク。
研究は短距離走ではない。マラソンである。毎日決まった時間に研究を実践しつづける。
毎日、確実に前進する。その積み重ねを続ける。
集中する。
たまにはブルドッグのように猛進する。
練習あるのみ。つねに練習し、学習し続ける。

研究トピックの設定方法

早期キャリアでは興味のある分野のみに絞らない。
実践に役立つ研究トピックを設定する。
多くの読者を獲得できるようなトピックを選ぶ。流行は避ける。
たくさんのターゲットジャーナルがある分野を選ぶ。少なくとも2つ以上のトップジャーナルが狙える分野。
雑誌に掲載されにくい方法は避ける(ワンショットサーベイなど)。
自分が得意なもの学習が早いものを選ぶ。
素晴らしいデータを獲得できそうなトピックを選ぶ。
早期キャリアで分野を絞りこまないで、複数の分野を勉強する。
クリエイティブな方法で研究できるよう工夫する。
メガトレンドには着目し、時流に乗れるようにする。
実務経験の豊富な人の話を聴く
応用プロジェクトから得られた成果を論文化して出版する。

応用プロジェクトから論文化する方法

応用プロジェクトの成果を論文化できないかどうかよく考えてみる。
関係者によって応用プロジェクトの論文化を阻止されないよう工夫する。
応用プロジェクトに関わった協力者などを共著者として招く。
研究者と実務家が集う協会や学会組織を活用する。
企業等にデータ収集を依頼することを躊躇しない。
企業等から要請があったら積極的に引き受けて貸しを作っておく。
データ収集を始める前に完璧であることを期する。
応用プロジェクトの状況や文脈に柔軟に対応して論文化できるよう幅広く勉強しておく。
先入観を持たないで応用プロジェクトから得られる洞察を活用する。
アノマリー(おかしいぞと思う現象)に注視し、それを追究する。
自然発生的に行える実験を活用する

学生として生産的である方法

期末レポートを論文化して出版する。
Aクラスの研究のみを行う。
データセットを薄切りにして薄い論文を量産するのではなく、最大限に活用してぶ厚い研究を行う。
いろんな人たちと一緒に働く。
現場に出て行っていろんな人と話し、そこから洞察を得る。
研究を狭い範囲に集中しすぎない。かといって分散しすぎることもしない。
確率論に頼った論文の投稿をしない。
トップジャーナル掲載は思うほどに超難関ではない。諦めずに粘り強く取り組みつづけるならば。
リジェクトされない限り、何度も修正・再投稿する。
編集者や査読者が求めていることを実行する。例えば、追加データが必要だと言われたら躊躇なく追加する。
査読結果等でネガティブなコメントや批判があっても、それを理由に先延ばしをしない。
実務の世界に進んでも論文を書いて出版する。研究の道に進んでも実務的な活動をしてみる。

キャリア後期においても生産的で続けるための方法

共同研究者や学生を支援し、引張り、コーチする。
応用プロジェクトから論文化する。
これまでの経験や実績を生かして展望論文を書く。
たまには論争を仕掛けてみることで、分野の発展に寄与する。
チームで仕事をする。
自分と補完的なニーズを持っている共同研究者を探す。
他の人の博士論文などを雑誌掲載する手助けをする。
実らなかったり枯れてしまった研究プロジェクトを蘇生する。
既存の研究成果の追試を行いながら新しいものを付け加えていく。
学生が博士論文を書き終えても共同研究を継続していく。