人生は川の流れにように

作詞家の秋元康氏の代表作の1つが、美空ひばりの「川の流れのように」である。このタイトル、この詞は、秋元氏自身の人生観も反映しているのではないかと思われる。


川の流れのように」はニューヨークで書かれたのだが、秋元氏がニューヨーク滞在中、望郷の念とともにコンドミニアムの部屋の下のイーストリバーを眺めながら「この川をずっといくと海に繋がって、その海は日本に繋がってるんだろうな」とか、ぼんやり考えていたという。そんなときに日本から美空ひばりが東京ドームで不死鳥コンサートをやると連絡があり、ニューヨークのカフェで詞を書いたのだそうだ。


あれだけ波瀾万丈な半生を送っていた美空ひばりが「あんた、人生なんて大したことないわよ。大丈夫よ」って言ってくれたら勇気づけられるなという応援歌を書こうと思って、何も考えずにでてきたのが「川の流れのように」というタイトルであったという。


実際のレコーディング時に、美空ひばりは秋元氏の隣に座って「いい詞ね」といい、「人生っていうのは確かに川の流れのようなもの。流れが速かったり遅かったり曲がりくねってたり真っ直ぐだったり。だけど、どんな川も同じ海に注ぐのよ」といったという。