世界はフラットか、ギザギザか

http://jp.fujitsu.com/group/fri/report/economic-review/200601/page2.html

フロリダは著書『The Rise of the Creative Class』の中で、重要なのはソーシャル・キャピタルではなく、クリエイティブ・キャピタル(創造的資本)だと論じた2)。確かにかつて存在したようなアメリカ社会におけるコミュニティは見られなくなってきているが、それは人々のつながり方が変化したからだというのだ。

クリエイティブな階層は大きく三つに分かれる。第一に、「スーパー・クリエイティブ・コア」と呼ばれる人たちで、科学者、エンジニア、大学教授、詩人、小説家、アーティスト、エンターテイナー、俳優、デザイナー、建築家、ノンフィクション作家、編集者、文化人、シンクタンク研究者、分析家、オピニオン・メーカーといった人々がこのカテゴリーに入る。第二グループは、「クリエイティブ・プロフェッショナル」と呼ばれ、幅広い知識中心産業が含まれる。例えば、ハイテク・セクター、金融サービス、法律サービス、ヘルス・ケア・サービス、ビジネス経営などで、特定の分野でクリエイティブな問題解決に従事している。第三のグループは「サービス・クラス」と呼ばれ、いわゆるサービス産業に従事し、給料も低く、自律性のあまりない職業だという。このクラスに属する人たちのすべてがクリエイティブな階層に属するというわけではないが、スーパー・クリエイティブ・コアやクリエイティブ・プロフェッショナルの活動をサポートすることになる。

重要な点は、彼らは特定の企業や土地にしがみついて生活しているわけではないということである。彼らは自分のクリエイティブな活動にふさわしい土地、住み心地のいい土地を選んで移住し始めているという点である。彼らの場所の選択は、ライフ・スタイルの関心に基づくもので、寛容で、多様で、創造性にオープンな場所を求めている。「私はこの会社のために働く」というマインドの人は減りつつあり、私はボストンで働きたい、シリコンバレーで働きたい、だからそこにある企業を選ぶという人たちが増えてきているのだ。