戦略キャンパス

http://premium.nikkeibp.co.jp/itm/spe/03/04.shtml

日本の理容業界に一石を投じた10分1000円カットの「QBハウス」をブルー・オーシャン戦略の実践者として取り上げている。移動中に音楽を楽しむという文化を作り出したソニーの「ウォークマン」、お尻を洗うという習慣を創造したTOTOの「ウォシュレット」、どこにいても友人とメールが交換できる携帯電話の「iモード」、アップルコンピュータの「iPod」「iTunes」など、われわれの周りにはブルー・オーシャン戦略の賜物が多数存在している。

本書では、企業がブルー・オーシャン戦略を立案し、実行していくために必要な考え方やプロセスを、戦略キャンパス、4つの象限からなるアクション・マトリクス、戦略立案の6つのパス、戦略をビジュアル化する4つのステップなどのテンプレートまたは手順の形で具体的に示している。

http://plaza.rakutenco.jp/yoshy7647/diary/?ctgy=3

理容業界における戦略キャンパスにおける成功要因は

1.価格
2.予約担当
3.各種サービス
4.ヘアトリートメント
5.衛生
6.待ち時間の短縮
7.ヘアカットの時間短縮
8.エアーウォーッシャーシステム

だそうです。QBハウスは前半の2から4は競合と比較して競争力は低いものの、後半の1と5から8で圧倒的に優位である、と。よって、QBハウスは支持されるのだ、と説いています。

http://cds190.exblog.jp/3311096

著者たちは「市場の境界を引き直す」ことの重要性を正しく主張して、
「というのも経営者やマネージャーは、直感や気まぐれで戦略を決めるわけにはいかないからだ」
と述べます。


・・・本書で著者たちが述べている「市場の境界を新しく引き直す方法」は卓見に満ちていますし深く頷くことばかりです。ただ、戦略キャンパスとアクション・マトリクスはその新しい境界の発見ツールではなくて、新しい境界についての発想や思いつきを新旧の競合要因に照らして検証し、洞察を深め発想を広げるメタ思考のツールであり、むしろ精緻なマーケティング実務に結びつけて行く上で便利なツールである、と申し上げているのです。


・・・さて、著者たちはこう述べて解説をはじめます。
「市場の境界を引き直す方法には主として6種類のアプローチがあるとわかり、これらを6つのパス(the six paths)と呼ぶことにした」
「6つのパスは、多くの企業が戦略のよりどころとする6つの前提を問い直す。これらの前提を無条件に受け入れ、戦略を築くことで、たいていの企業はレッド・オーシャンの泥沼にはまっている。つまり次のような失敗に陥っているのだ。
●他社と横並びの業界定義に沿って、業界一位をめざそうとする
●一般的な戦略グループ(高級車、低価格車、ファミリーカーなど)(筆者注=品種/業種/店種)の概念に沿って業界を眺め、自社の属する戦略グループで抜きん出ようと努力する
●オフィス機器業界なら購買担当者、アパレル業界なら利用者、医薬品業界なら影響者というように、他社と同じ買い手グループに焦点を当てる
●製品やサービスの範囲を他社と同じように定義する
●機能志向あるいは感性志向といった業界の特性をそのまま受け入れる
●戦略を策定する際に、同じ時点、しかも往々にして現在の競争状況に着目する」