資源依存理論

組織の生存に必要な資源

  • 労働力、資材、顧客、情報、投資、融資、法律上の許可、業種に関する正当性など
  • 組織の生存に必要な資源の多くは、組織の外部に存在
  • 資源の厳選は、政府、顧客、サプライヤー、金融機関、投資家など
  • 組織は自律的存在ではなく、必要な資源を確保するために他の組織に依存している=自組織の生存や成功の不確実性、自組織の行為の外的制約

権力関係

  • 依存性と権力は負の関係
  • 依存性は、資源の価値と入手可能性で決まる

依存性低減の戦略

  • 組織の環境適応戦略の目的は、他の組織への依存やそれに伴う不確実性を減少させることによって、外部の拘束からの自由を獲得すること-環境の不確実性から組織の境界(テクニカルコア)を防衛する緩衝化戦略(緩衝化、円滑化、平準化、予測、割り当て活動など)で克服できない場合、橋渡し戦略が用いられる。
  • 橋渡し戦略は、役員兼務、戦略的提携、合併買収などの組織間連結をつくるもの
  • 他の組織への依存度を低減し、他の組織への権力を増加し、外部の拘束を回避する
  • 橋渡し戦略は、組織間の相互依存関係の増大への反応
  • 共同的相互依存、競争的相互依存

橋渡し戦略のタイプ

  • 契約(公式・非公式)
  • コオプテーション(会社相互の役員兼務、人事交流(経営幹部の移動)
  • 戦略的提携(出資を伴わない業務提携、業務・資本提携、ジョイントベンチャー
  • 合併買収(M&A)(相互依存性を直接的に吸収、垂直統合水平統合多角化
  • 集合行為セット(政府に対して集合的に働きかける組織連合、業界団体、商工会議所)

政治連合としての組織

  • 不確実性に対処できる部門が組織内で権力を持つ
  • 対処すべき不確実性が変化すれば、対処できる部門も変化し、組織内部の権力構造も変化する
  • 組織内の支配的連合のメンバー構成の変化は、組織内部の利益集団の栄枯盛衰を意味する

戦略的コンティンジェンシー理論

  • 組織構造は、課業環境や技術だけでなく、組織の意思決定者による戦略的選択によっても影響される
  • 組織内の政治過程が環境の影響から若干独立している(ルースカプリング)
  • 組織が環境においてどんな位置にあるのかという意思決定者の評価と行為が重要
  • 組織は相互依存する諸部門から構成されるシステム
    • 不確実性対処の相対的能力→組織内での相対的権力向上
    • 対処活動の代替可能性→組織内での相対的権力低下
    • 相互依存関係における中心性→組織内での相対的権力向上
    • ルーチン・マニュアル化→組織内での相対的権力低下
  • 組織内権力保持者・支配連合が課業環境や技術と組織構造の間を媒介・部門間の権力関係にもとづいて組織構造を形成