ブルーオーシャン戦略

http://www31.ocn.ne.jp/~issf/management.htm

第3章「市場の境界を引き直す」では、既存の枠組みにとらわれずに多彩な業界の枠を集めて、競争のない市場空間を体系的につくり出し、探索リスクを減らすための道筋を示す。具体的には、1)代替財や代替サービスを提供する業界に目を向ける、2)さまざまな戦略グループを見渡す、3)従来とは異なる買い手グループに目を向ける、4)補完財や補完サービスを見渡す、5)機能志向あるいは感性志向を問い直す、6)時間軸を長くする、などである。

ブルー・オーシャン戦略の第一原則は、市場の境界を引き直して競争を迂回することである。筆者たちは、市場の境界を引き直してブルー・オーシャンを創造する体系的な方法があるかどうかを探った。その結果、主として6種類のアプローチがあるとわかり、これらを六つのパスと呼ぶことにした。六つのパスは、多くの企業が戦略のよりどころとする下記の六つの前提を問い直す。これらの前提を無条件に受け入れ、戦略を築くことで、たいていの企業はレッド・オーションの泥沼にはまっていると指摘している。

  • パス1:「代替産業に学ぶ」。ネットジェッツは、一般の航空会社のフライトや航空機のチャーターという代替産業と比較して、ジェット機の短期リース事業を立ち上げて、ブルー・オーシャンを創造した。
  • パス2:「業界内のほかの戦略グループから学ぶ」。テキサスを本拠とする女性専用のフィットネスクラブ、カーブスは、従来型のヘルスクラブと家庭向けエクササイズ・プログラム、両方の決定的な利点を取り入れ、その他のすべての要素をそぎ落とした。
  • パス3:「買い手グループに目を向ける」。デンマークの製薬会社ノボは、糖尿病患者が血糖値を下げるために用いるインスリン分野で、カートリッチの使いやすさを追求したインスリン注入器や使い捨て注入ペンを発売し、ブルー・オーシャンを創造した。
  • パス4:補完財や補完サービスを見渡す、
  • パス5:機能志向と感性志向を切り替える、
  • パス6:将来を見渡す。