勝利への執念


スポーツから学ぶ経営戦略
http://nikkei.hi-ho.ne.jp/sports/habu/index.html

実際、私が10代で一生懸命研究した型など、今では古くて何の役にも立ちません。だから古いものは勇気を持って捨て去り、新しい何かを吸収し、新しいアイデアを試すことが必要だと思います。変化に適応し、自分のスタイルを時流にフィットさせていくことが重要になるのです。

物事が上手く行っているときや、好調なときは踏み込みがいいものです。場面、場面での見切りがつけられるため、決断にさほど難しさを感じることはないように思います。ところが、ある程度経験を積むと、ソコソコ平均点で卒なくこなすことが上手くなります。でも、その繰り返しでは思考のジャンプがなくなってしまうため、ある程度リスクを負うことも必要です。その辺りの決断になると大なり小なり、難しさが生じます。
 決断をする時に一番難しいのは、答えがない、あるいは結論が出ない状態での決断です。しかも、後になっても正解が見えないようなテーマではないでしょうか。実はそこが非常に大切な場面だったりするわけですが、慎重にいくのか、勘に頼るのか、悩みどころです。若い頃であれば、考える材料が少ないのでガムシャラに突き進んで、それが結構上手く行ったりするものですが永遠には続きません。やはり、失敗したときのリスクを受け入れながら踏み込んでいく、というのが理想的な決断ではないでしょうか。
難しい決断の場面では、誰しも答えを単純化したい、明確化したい欲求に襲われます。でも、あえて答えを決めず、方向性だけを決める。そうした曖昧さや漠然とした状況を残しておくことも大切なことだと思います。ある意味、それは答えを出さないことに対する不安や恐怖に打ち勝つことができるかどうかという問題です。結局、決断の難しさというのは、心の問題なのかも知れません。