潮の流れを読み、周期を見極める

本田(2006)では、「成功するために必要なのは、流れを読む力だ」という箇所がある。物事の奥深くを見通す力だともいう。ボートでいえば、潮の流れを読み、風を読み、自分の行きたいところに行く。潮の流れを読む力とは、社会の流れがどうなるのか、お金の流れがどこに行こうとしているのか、国の方向性など、これからの社会がどうなっていくのかを予測することである。常識と自分の直観を頼り、細かい流れに意識を奪われることなく、5から10年の流れでものを見ることが大切だという。


また、流れと同時に大切なのが、サイクルだとも言う。人生でも、会社や国や文化でも、上り調子と下り調子がある。上り調子のときは、何をやってもうまくいくし、下り調子のときは、何をやってもはずしてしまう。自分の人生がどちらに向かっているかを考え、いまはブレーキを踏むときか、アクセルを踏むときなのか、見極める。自分にツキがないと感じるときには、思い切って何もせず、のんびり人生を楽しむことだ。運気が上昇してきて、追い風になったら、帆を大きく広げ、勝負に出る。運気の落ちているときに、失敗を挽回しようとすれば、とんでもない失敗をしてしまう。自分の運の状態を肌で感じることができれば、嵐が去るまで家でじっとしておくことができるのである。


本田(2006)は、お金持ちになるてっとり早い方法は「流れをつくる」ことだとも示唆する。お金は社会を流れる川のようなもの。その川の流れを独占することはできない。川の流れの周りに小さな運河を掘って(ビジネス)、自分の領地に水を流すことはできるが、そこから川の流れは別の場所に行く。溜め込むばかりで流れを作り出さないと、水は腐ってしまう。自分のところに来るお金の流れをポジティブな方向へと流すことで、お金のパワーにやられずに、川の流れを大きくすることができるのだという。