論文執筆で必要なWhyとSo What

論文執筆でとりわけ大切なのが、「Why?」を繰り返すこと。もう1つは「So What?」を繰り返すことである。


論文は論理がつながったものであり、論理に穴があってはいけない。例えば、あることを言おうとした場合に、Why?「なぜそれが言えるのか」「どうしてそうなのか」を問うことによって、1つ前の根拠にたどり着く、さらにその根拠に対して「どうしてそうなのか」を問うことによって、さらにその根拠の前提となる根拠にたどり着く。このプロセスを延々と繰り返すと、定説となっている理論なり前提に行き着く。そうすることによって、少数の基本的な定説や前提から論理が演繹的に展開されて言いたいこと(結論)に結びつくという論理構造がしっかりしてくる。Why?と問うて答に詰まるようならば、まだ足りないところがあると考えてよい。


次に、論文はなんらかの興味深い発見や示唆が得られなければ価値がない。当たり前のことを厳密に論理立てて説明してもその恩恵を受ける人はいない。だからSo What?「それで?」を繰り返す。例えば「ある発見が得られた」と書いたら、「それで?」と問う。そうすると、その発見がなぜ重要なのか、どう実践に生かせるのかという話の展開に結びつく。ある実践に生かせると書いたらさらに「それで?」と問う。それを繰り返すことによって、この論文が究極的にどんなメリットをもたらすのか、そのメリットはどれだけの価値があるのかがはっきりしてくるのである。