リジェクト(掲載不可)に落胆しない。

精魂込めて作成した投稿論文が、投稿先ジャーナルからリジェクト(掲載不可)となれば、打ちひしがれる思いになることであろう。精神的に落ち込んで、立ち直れないと思うかもしれないし、この論文にはもう未来がないと暗澹たる思いに沈むかもしれない。多大な時間と労力をかけて行った研究であるならばなおさらである。リジェクトが1度で終わるならばまだしも、投稿するたびにリジェクトを繰り返すということになれば、絶望的な気持ちになるだろう。


しかし、度重なる「リジェクト」に対して過度に落胆する必要はない。むしろ、リジェクトを繰り返すことでどれだけ論文が進化していくのか、ワクワク感をもって、ゲーム感覚で臨むのがよい。なぜならば、リジェクトされた論文は、投稿先において査読者が、これも真剣に論文と向き合ったうえで下した判断であり、この論文の本質的な長所や問題点を指摘するフィードバックであるからである。自分の作成した論文をこれだけ真剣に読み、問題点を厳しく指摘してくれるような人はそういない。


であるから、リジェクトされたときは、査読者の好評を穴のあくくらい熟読し、どこが批判の対象になっているのか、どこが不十分なのかを、冷静に分析することが大切である。そうすることによって、今回下された批判を、次回の改訂で乗り越えようとすることだ。論文は、叩かれることで、鍛えられる。リジェクトを繰り返すたびに、立ち上がり、パワーアップし、たくましい論文になっていくのである。リジェクトされるごとにどんどん強くなっていく。成長していく。理想的な論文に近づいていく。そうして鍛えられ、身が締った論文は、初期の原稿と比べても見違えるほど素晴らしいものになっているに違いない。そのようなゲームを繰り返していくうちに、自ずとその論文にふさわしい掲載場所が見つかることであろう。