メガトレンド[時代の潮流]を読む

澤上(2009)は、長期投資家にとって、新しいメガトレンドをいち早く読み取ることが何よりも優先される作業だというが、メガトレンドは「10年から30年は続く大河のとうとうたる流れ」というイメージで捉えるものだという。そういった大きな流れに早い段階から乗ってしまえばラクなのだという。メガトレンドという潮流は後から後から参加者が集まってくるからこそ、どんどん大きな流れとなっていく。いってみれば、幾多の投資家が後から後から流れを押し上げてくれるものである。


澤上によれば、長期投資家はいつも「どんな社会を築いていきたいか。そのためにはどんなお手伝いができるのか」の視点を大切にし、常に将来の読みをやっている。「将来、こういった流れが奔流となっていくだろう」をあれこれ構想するのだという。そこで大事なのが「推」と「論」をトコトン広げてやることである。将来の可能性を伸びやかに、かつくっきりと、すなわち柔らかでしなやかに推測する。いろいろ構想を広く深く遠く飛ばしてみる。そして、現時点では突飛と思われるような、いろいろな可能性を論理的につなげていく。この推と論を組み合わせることが重要だと説く。推だけだと空想、妄想に陥ってしまうし、論だけだと発想がまったく飛ばなくなってしまうからである。


大事なことは、常に先を読んで、景気のうねりを早め早めにとらえることである。