株式市場の流れをつかむ

中原(2008)によれば、日本の株式市場の流れとつかむのに重要なのは、日銀短観と外国人の売買動向である。日本の株価の動きは、売買代金シェアの大半を外国人が握っているので、外国人が買えば株価が上がり、売れば下がる傾向が鮮明となっている。つまり、上昇トレンドが始まる直前または同時に外国人の買い越し額が急増し、下降トレンドが始まる直前または同時に外国人の売り越し額が急増する。外国人が1回大きく売り越すとその後も株価は上昇を続け、1回大きく売り越すと、その後の株価は下降を続ける。


また、日本の株価はアメリカの株価との相関も高い。つまり、アメリカの株価が上がると外国人は日本株を買い越し、アメリカの株価が下がると日本株を売り越す。特に、国際優良株・大型優良株は企業価値が激変するリスクや倒産リスクが極端に少なく、高い技術力を持ち国際的なシェアも持っている。加えて株式の流動性が高いので、外国人の資金を引き付ける魅力を持っている。よって、欧米の年金基金オイルマネー流動性の高い時価総額上位の企業の株式を好んで買う。


株式は他の金融資産より変動率が大きく、トレンドが他の金融資産よりも捉えやすい。よってトレンドの捉え方さえ間違わなければ、大きなリターンを得ることができる。景気拡大期と上昇トレンドが重なりあう期間が、想像以上のパフォーマンスが見込める黄金の投資期間となる。株価は数十年の長期間において、ごくわずかな期間で大幅な上昇をすることがあり、また、ごくわずかな時間で大幅な下落をすることがあるため、そのタイミングにできるだけ近づくことによって「捉利効果」を得られる。