まず川に飛び込む

だから私は以前から、社員に対して「川があったら飛び込め」と口癖のように行っていた。・・・今の社会は変化が厳しい。「慎重に検討」しているあいだにも、川の状況は次々と変わっていく。すぐに飛び込めば渡れたものが、一時間後に「飛び込もう」と決めたときには増水で流れが急になり、渡れなくなっていることもあるだろう。
・・・高度成長期のように、日本経済が急流に乗って前進している時代なら、会社ごとのスピードの差はほとんど問題にならんかっただろう。・・・しかし、みんなで手をつないでゴールまで走れる時代はとっくに終わっている。判断のスピードが遅い企業は、様子を見ているうちに濁流に呑み込まれて脱落していくのが今の時代だ(吉越 2007:37-39)。