研究方法論

理論とは

  • 理論とは概念間のつながりによって世界を理解、予測、説明、操作しようとするものである。
  • 理論からは、概念間で表される命題と、さらにそれを測定可能な変数で表した仮説が導かれる。
  • 命題や仮説は反証可能でなければならない。現存する理論(および命題、仮説)は、いまだ反証されていないもの(いずれは反証され、別の理論に置き換えられる可能性を常に保持している)
  • 反証不能な理論や命題はその妥当性(確からしさ、真実性)を判断できない

統計的検定

  • 統計的検定は、仮説と対立する仮説(帰無仮説)を棄却できれば、仮説が支持されたことになる。
  • 棄却するさいに、間違える可能性を定めておく。5%の確率で間違える可能性がある場合は0.05水準で有意という。逆に言えば95%の確率で正しく棄却できる。
  • 第1種の誤り:帰無仮説が棄却されないはずの場合に棄却する確率

検定力と効果サイズ

  • 第2種の誤り:帰無仮説が棄却されるはずの場合に棄却しない確率
  • 検定力: 帰無仮説が棄却されるはずの場合に棄却する確率
  • サンプルの数を変化させないと仮定するならば、第一種の誤りを犯せまいと、危険度を低く設定すればするほど、第2種の誤りを犯す可能性が増える。つまり、検定力が弱くなる。
  • サンプル数を増やせば増やすほど、非常に小さな効果でも検出できるが、それが意味があるかどうかを検討する必要がある

測定の基礎

  • 変数からなる仮説を検証するためには測定可能であることが前提。適切な結論を導くためには測定方法が命。信頼性・妥当性に欠ける測定方法では、正しい仮説であっても支持されなくなる。信頼性とは、測定のランダムエラーが少ない度合い、妥当性とは、測定したい概念(変数)がきちんと測定されている度合い。信頼性・妥当性の高い測定尺度を用いることが実証研究のクオリティを大きく左右する。過去の研究で信頼性・妥当性が確立された尺度が存在するときにはそれを用いるのが鉄則(そのために先行文献に精通していることが必要)。先行文献になく、新たに尺度をつくるときには細心の注意と慎重な予備調査が必要。

次回のトピックス

  • 因果関係について
  • 実験デザイン
  • 因果モデルと構造方程式モデル
  • パラメトリックな手法

測定尺度の評価

  • 平均および標準偏差
  • 信頼性の推定(クロンバックのアルファ)
  • 探索的因子分析、確認的因子分析(AMOS)
  • 相関係数の検討