技術の伝え方

畑村(2006)より。相手に伝えたいことをうまく伝えるためには、相手にイメージを伝えるのが効果的である。

例えば、水泳で速く泳ごうと思ったら、クロールという泳法が適していることは誰でも知っているでしょう。この泳法に対する一般的なイメージを考えてみると、多くの人は「水中でいかに速く腕で水を掻きまわせるかどうかで速さが決まる」と考えているようです。ところが、実際にはこのようにやっても速く泳ぐことはできません。


私の知人はそのことに満足できず、・・・その末に考えついたのが、「水に手のひらを引っ掛け、それを支点に体を前に引っ張り出す」というものです(畑村 2006:118)。


・・・知人から聞いたイメージを試した結果は自分でも驚くべきものでした。いままでの自分の泳ぎ方よりも断然速く泳げることをすぐに実感できました。

(効果的に技術を伝えるためには)「相手の立場になって考える」「相手から見える景色を想像する」ということが大切なのです(畑村 2006:189)