投資とは先読みのゲーム

澤上(2006)は、投資とは「人より先に行動して、皆が後から追いかけてくる」のをニヤニヤ眺めるようなものだという。将来どこかで「大勢の人が買い群がってくるだろう流れ」を先取りして、その前に買っておくというわけだ(p47)。

本格的な長期投資は、時々刻々と変動する小さな価格変動の波はすべて無視してしまう。大きな波だけを相手にする。・・・大きな波とは何か?経済全体で「お金が大きく方向を変えて動く時」と考えよう。どんな方向でもよい。動きたいエネルギーが蓄積されていけば、いつかどこかでマグマは噴き出す(p5)。

将来の流れを読んで、人より1,2歩先に行動するだけ。気がついたら、投資収益が後から押し寄せてくる(p47)。・・・われわれは皆がワッと色めき立つよりずっと前に買ってある。したがって次から次へと押し寄せる買いの波にただ乗っかっているだけでいい(p51)。

われわれ長期投資家にとって最大の武器である将来の先読みとは、言ってみれば「『推』と『論』をトコトン広げてやる」ことだ。「推」とは将来に対するイマジネーション(想像)を働かせることである。「論」とはロジック(論理)、いろいろな可能性を論理的に詰めていく作業をいう(p54)。

いつでもどこでもそうだが、大きな流れには早く乗ったほうが有利である。流れに逆らって抵抗しようとすれば、とんでもないエネルギーが必要となる。ムダな努力を重ねているうちに抵抗力を失って、結局は流されてしまう(p76)。

われわれは景気サイクルの大きなうねりに早め早めに乗ることが大事(p79)。
銘柄を見つけようとは考えずに、自然のままに、フワーッと流れるように、発想を伸ばしていくこと(p86)。