論文と推理小説は同じである

金出(2004)は「論文と推理小説は同じである」と学生に言い聞かせているそうだ。優れた推理小説にも研究論文にも共通する4つのSとは、1、サスペンス(どうなるかとハラハラさせる)、2、サプライズ(まさか、あ、そうか、と驚きがある)、3.サティスファクション(読み終わったあとの満足感がある)、シェアリング(読者が感情移入し、当事者となって興味を共有する)である。


また、金出(2004)によれば、論文でも「起承転結」が構成要件として重要である。まず「起」で読者の好奇心を誘う。「面白そうだ」「役に立ちそうだ」がキーである。「承」では背景が描写されるが、研究課題を「設定」し、読者を「罠にかける」。きっとこうなるだろうと思わせておいて「実はこう」というためである。「転」では、解を導くキーアイデアを少しずつ出していく。最後まで「どうなるのかな」とはらはらさせる。「結」では、一番重要な研究結果を一発で出す。