論文投稿の長い旅2

不採用通知の編集者のコメントと査読者のコメントを何度も読み返し、論文のどの部分が弱く、問題があり、どうすれば解決することができるのかを考え続ける。改善のメドができてきたところで、次のターゲットジャーナルを設定する。前回が最もレベルの高いトップジャーナルで、そこでは不採用であったがまったくダメだという感じではなかったので、改善すれば同等のレベルのジャーナルへの掲載も不可能ではないということで、同じくトップジャーナルであるが、掲載分野がやや狭いものに決める。こちらも、掲載される論文のレベルが高いトップジャーナルであるがゆえに、掲載の可能性はそれほど高くないが、さらにチャレンジする価値はあると判断した。


不採用時のコメントを読み返し、論文を改善しつづけた結果、不採用の原因となった主な弱点を克服できるくらい論文のクオリティが高まったと自信がでてきた。論文を仕上げ、ジャーナルに投稿する。


1ヵ月半後に結果が返ってくる。結果は、このままでは掲載不可で改訂の必要あり。これは、論文が不採用になったということではなく、現段階では掲載される論文のレベルには達していないが、掲載にむけて有望な論文であるので、問題点が改善されるように書き直して再投稿することを奨励するという意味がこめられているので、ひとまずほっとする。もちろん、今回指摘された問題点が改善されないようであれば、最終的には不採用となってしまうリスクも十分にある。論文投稿時には、掲載される確率は20から30%くらいという感じだったが、今回の審査結果で、掲載される確率が50%程度になったという感触を得た。


まずは、2名の匿名査読者のコメントと編集者自身のコメントが詳細に記述されているレターをじっくりと読む。査読者の1人はややネガティブかつ厳しめなコメントであるが、編集者およびもう一人の査読者のコメントはどちらかというとポジティブで、論文を改善するにはどうすればよいのかについて、懇切丁寧なコメントが書かれており、大変役に立つものであった。これだけ親切なコメントをくれるあたり、誰が担当編集者で、誰が匿名査読者として投稿論文を担当するのかというのには、運の要素がかなり絡んでくるということを実感する。よって、前回のトップジャーナルの結果も、誰が担当編集者で、誰が匿名査読者になったかで、若干結果が異なっていた可能性もある。ただし、論文の弱点や修正が必要な点のコメントについては、どれも要求が厳しく、簡単に直せるものではない。論文の改訂にはさらなる時間が必要だと思われた。