時代の変化を読み取る

しかし子供を四谷大塚に入れるような家庭で、世の中をしっかりと眺め、いったいこれまでのような時代がこれからもずっと続くのであろうかと考える自由が奪われているはずはない。ただそこには、時代の変化というものを見極めようとせず、世の中は永遠に固定しているものと決めてかかる、日本人の平均的な意識があるだけだ。

いま私は、10年というスパンで、現在見えている重要な兆候から導き出される確実な結果を考えてみた。・・・都心の信号のようにめまぐるしく青から黄、赤と移る目先の変化にとらわれ、その後ろに流れる本質的な変化、兆候に目を止め、深く考えることをしなければ10年先は読めず、10年先のために何をするかという考えも浮かばないだろう。

堀紘一(1996)「成功する頭の使い方」PHP研究所