セレンディピティ物語

宮永(2006)で紹介されている「博士の愛した数式」の作者の小川氏によると、「物語」は、作家が創作だすものではなくて、世界のどこかにあらかじめ存在しており、誰かがそれを見つけ出すのをじっと待っているのだという。それを見つけ出すのが作家なのだと。
無理に何かをしようとおもっているうちは駄目で、物語が訪れた瞬間は「潮が満ちてくるような感じ」がする。いろんな準備をし、環境を整えていくうちに、機が熟してくるということだ。ただ待っているだけではだめで、自分から行動する。一度物語が訪れれば、あとは頭のなかに映像が流れ始める。まるで映画を見ているように。


同じく宮永(2006)で紹介されている「アイデアのつくり方」という本の要約によると、どんな技術を学ぶにせよ(アイデアのつくり方を含め)、大事なのは「原理」と「方法」だという。
イデアの作り方に関する原理は、(1)アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない、無から有は生まれない、(2)既存の要素を組み合わせて新しいアイデアを生む才能は、物事の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい、である。
この2つの原理から、以下の方法が導かれる。(1)情報収集。特定分野に関する特殊情報と、すぐには必要ないかもしれない一般情報の蓄積、(2)集めた情報の頭の中での咀嚼。一見無関係にみえる物事の間に関連性を見出す、(3)いったん問題を放棄する。寝かせておくことで消化させる、(4)幸運な思いつき、ふとしたきっかけで出てくるひらめき、(5)生まれでたアイデアを大切に育てる。