理論論文の書き方

Academy of Management Review (AMR)に掲載されるような優れた理論論文は簡単には出来上がらない。少なくとも最初に投稿するまえに、十分に練り上げ、育て上げ、改稿を重ねる必要がある。Kildoff (2006)は、優れた理論論文を書くためのポイントとして、次の3つを挙げている。


まず、この論文で提示することを一言でいうと何なのか(What is my big idea?)を明確にすることである。優れた理論論文は、オリジナルかつ重要なアイデアを含んでいる。優れた理論は、既存の実証研究の一歩先を進み、今後の研究の新たな道筋を作っていくべきものである。現実世界の注意深い観察から、優れた理論が構築されていく。


次に、論文を書く前に、理論展開のロジックの構築に十分な時間を投資することである。優れた理論論文は、序段、中段、終盤に分かれており、、経営・組織研究に貢献するものであり、最初から最後までロジックがきれいに流れるものであり、既存の文献をうまく使って、どこが面白く、どこが他と違うのかを明確にするものである。


そして、理論展開のロジックを整え、初稿を書き上げたら、専門家に読んでもらい意見をもらうことである。叩かれ、改善していくことにより、メインの論理展開をシャープかつクリアになるよう、論文を鍛えていく。例えば、論文の最初と最後で、人間にとってもっとも重要な問題に鋭く切り込んでいく。

文献

Kildoff, M. (2006) Editor's comments: Publishing theory. Academy of Management Review, 31, 252-255.