試合の流れの重要性

スポーツの試合などにおいては、最初から最後まで集中力を最大限に保った状態のままにしていくことは不可能に近い。どこかで集中力が途切れたり、あるいは意図的に力を抜いたり、大切なところで気合を最大限に高めたり、集中力を高めるなど、緊張と弛緩をうまく使い分けることが重要であるかのように思われる。


そこで、どこで力を抜くのか、どこで抜いてはいけないのか、どこで緊張を最大限の状態に持っていくのかという、セルフコントロール(個人の場合)もしくはチーム全体の士気をコントロールすることについては、試合の流れというものが非常に重要になってくると考えられる。


試合の流れを読み、相手のペースに傾きそうな場合に、気を抜いてしまうことで、大きな失点を招いたり、あるいは、緊張の続き戦いののち、先に相手に得点を取られたときに、本来ならばそこで踏ん張って失点を最小限にとどめるならばよいのだが、緊張の糸がぷっつりと切れてしまって戦いが甘くなり、大量の失点を招いてしまうなどは、まさに試合の流れをうまく読めていない、どこが踏ん張りどきなのかといった場面をはき間違えてしまった例であろう。


よって、試合全体の流れを感じ取り、潮の流れがこちらに傾きそうなときに最大限の集中力を発揮し、ここが踏ん張りどころというところでは気を抜くことなくしっかりとプレーをし、流れにまかせるべきときはリラックスしてまかせ、かつ流れが悪いときにはむやみやたらにりきまない、などの戦い方が重要になってくる。


もちろん、試合の流れをよみ、その状況で最も適切な気合の入れ方、心の持っていきかたができたとしても、もちろん勝負は時の運といわれるように、自分ではコントロールできない要因によって失点されたりすることは当然ありうる。例えば、気を抜くことなく集中力を保って踏ん張っていたのにもかかわらず失点を許してしまったり、あるいは逆に、気が抜けていたにもかかわらず幸運にもなにごともなく抑えることができたり、注意力が散漫であったにもかかわらず相手のミスで点が入ったりという、偶然的要素があることは否定できない。


運や偶然的要素は捨てられないながらも、それでもなお、試合の流れをよく読んで、適切なセフルコントロールを行なうことが、よい結果につながる可能性が高いと思われるのである。そのほうがおそらく、長い目で見た場合、あるいは統計的に見た場合、勝利につながっているように思えるのである。