日本の半導体産業、利益なき繁栄と衰退

http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2005/07/16/selete/

半導体産業を地域別の生産額でみると、1975年〜1988年にかけて日本がシェアを伸ばし、米国がシェアを落としてきた。1975年に米国のシェアは72%、日本のシェアは22%。それが1980年代半ばには逆転する。1988年に日本のシェアはピークに達し、49%を占めた。同年における米国のシェアは37%だった。1985年には半導体メーカー別売上高ランキングでNECが首位にたつ。1980年代は、日本の半導体メーカーの黄金時代だった。

しかし、黄金時代は長く続かない。1988年に日米半導体貿易摩擦が勃発する。1989年以降、日本のシェアは下降して2004年には26%に下がってしまった。

続いて赤坂氏は、半導体事業収支の変遷を地域別と事業形態別に分析して説明した。

1. 日系主要半導体メーカー
2. 米国系主要半導体メーカー
3. 主要なファブレス半導体企業
4. 大手半導体ファウンド
5. サムスン電子

の5 つに分けて過去20年の利益率を比較した。「がく然とするのだが、日米半導体貿易摩擦が起こっていた時期を含めて、日系半導体メーカーの利益率は最下位だった」(赤坂氏)。半導体貿易摩擦では、事業収支で勝っていた米国系半導体メーカーが、日本市場のシェア20%を外国系半導体メーカーによこせと要求したことになる。
そして現在の半導体事業収支はどうかというと、Intelサムスン電子などは30%と高い利益率を上げている。ルネサス テクノロジやNECエレクトロニクス東芝などの日本の大手半導体メーカーは高くても10%の利益率にとどまっており、収益の格差が大きい。