大人こそ絵本を

日経夕刊080717(柳田邦男氏へのインタビュー)

仕事の大きさの中で、想像力や他者を思いやる"心のゆとり"が枯れている。絵本を日常的に座右に置くことでケータイ、パソコンから離れた、別次元の時間の流れに心を移せ、感性や想像力をゆっくり再生できます。

失意、挫折、行き詰まり、病気、老齢など人生で避け難い局面に突き当たったとき、絵本は『そんなに力まなくてもいいんだよ』と肩の力を抜いてくれます。そればかりか、悲しみこそ心の成長の糧だと気づかせてくれます。

電子メディア、映像メディアとの接触が生活時間の大半を占めなか、絵本を愉しむ時間をつくると、自分で時間の流れをコントロールできます。ゆったりした時間と空間が心のゆとりを生み、職場や家庭環境に穏やかで温かいものをもたらします。