限界収入と限界コスト

限界収入を、製品を1単位追加で製造した場合の総収入の増加とし、限界コストを、製品が1単位増えた場合の総コストの増加とする。


上記のような関係において、企業が利益を最大化するためには、どのような条件が必要であろうか。言い換えれば、製品をどれだけ生産すればよいのか。


企業が利益を最大化する条件は、限界収入が限界コストに等しい場合である。これは簡単に証明できる。総収入をTP、総コストをTCとするならば、企業の利益πは、TP−TCである。利益を最大化する条件は、\frac{d\pi}{dQ}=0\frac{d^2 pi}{d Q^2} \ll 0である。すなわち、\frac{dTP}{dQ}-\frac{dTC}{dQ}=0。よって、\frac{dTP}{dQ}=\frac{dTC}{dQ}となる。


直観的には、限界収入が限界コストを上回っているときというのは、製品を1単位増やすことに伴う利益が増え続けていることだから、利益が増え続ける限りにおいては製品を増やし続ければよい。よって、限界収入>限界コストの時点では、企業収益は最大化されない。一方、限界コストが限界利益を上回っているときは、製品を1単位増やすことに伴う利益が減少しつづけていることだから、製品を追加するべきでない。よって、限界収入<限界コストの時点では、すでに企業利益を最大化するポイントを通過してしまっている。よって、上記2ケースの間である限界収入=限界コストのポイントが、企業利益を最大化するポイントでもあると言える。