板書


経済学(モノの考え方)
心理学(モノの考え方)    企業、経営
社会学(モノの考え方)   組織、人事、戦略・・・

                 経営学
価格理論
ゲーム理論
契約理論=組織は契約の束
エージェンシー理論
依頼人代理人の関係を扱う理論
個人株主と経営者の関係
なぜ組織が必要なのか。
労働者の行動と賃金→代替効果と所得効果


組織はなぜ必要か?
すべてが市場でうまくいくなら、組織など必要ないのでは?
市場か組織か?→市場は常に効率的に機能しない
→市場の失敗→組織の必要性
じゃあ、市場がうまくいかないときというのはどういうとき?
独占状態
公共財
外部性
情報の非対称性
 レモンの市場(悪銭は良貨を駆逐する)
逆選択
モラル・ハザード
取引コスト
社会は、分業と調整でなりたっている。
市場がすべて分業と調整を果たすわけではない
(市場=参加者が自己利益を追求しさえすればよい)
組織を作って、人々が協力しあうように仕向け
なければならない
立証不可能性(契約が守られなかったかどうかを外部から確認できない)
コミットメント問題
再交渉が可能な場合のインセンティブ消失
(アンケート郵送調査を配る仕事=成果主義
取引コストの問題
取引の相手を探し、見つけ、信用できるか確認し、条項や価格を取り決め、交渉をして契約をむすび、実行を監視し催促するような活動に伴う時間やコスト。完全な契約を結べないことによって被る機会費用
ホールドアップ問題と、特殊的投資
ロックインとスイッチングコスト
A社は、近年の経済不況の影響で、業績不振に悩むようになった。とりわけ、人件費の負担が企業業績に重くのしかかるようになった。そのため、A社は、同社サービス部門のお客様相談センターの従業員100人を、それまでは正社員を使って運営していたが、高校生を主体とする安価なアルバイトに代替することに決めた。
従来のお客様相談センター勤務の従業員は、平均年齢30歳で、給与・賞与・福利厚生などの人件費を時給に換算すると4000円くらいである。それに対し、労働力をすべて高校生のアルバイトで対対すると、時給に換算して700円である。よって、1時間当たりで考えて、3300円×100人=33万円の人件費圧縮になる。お客様相談センターを1日8時間操業するならば、1日あたり33万円×8時間264万円の節約になる。年間240日営業するとするならば、約6億3000万円の人件費圧縮になる。
 人件費は安ければ安いほどよいのか
 優秀な人材を高い給料で雇うのと、優秀でない人材を安い給料で雇うのとどちらがよいのか
 高卒と大卒の社員のどちらを雇うべきか

自動車工場の従業員を、時給の高い熟練工から、安価であるが低能力の工員に代替することは得策か。
時給2000円→10台/h→200円(労務費)
時給1000円→2台/h→500円(労務費)
鉄則=(W/Q)
生産1単位あたりのコストが低いほうを雇うべき(W/Q)
つまり、生産(もしくは売り上げ)に比べ、給与比率の低いタイプの人材を雇うべき(費用対効果の高い人材を雇うべき)
人件費総額にとらわれると経営判断を間違える
上記の原則は、企業の財務状況とは関係が無い。企業の財務状況が悪いから人件費を削減するというのは短絡的かつ誤った思考
低賃金労働力は、低コストの労働力とは違う(安易に生産拠点などを海外に移転することは危険)


B社は今年の新規学卒採用枠を2名に設定した。しかし、実際に募集してみると応募者が多数あり、選考を行なった結果、能力的に甲乙つけ難い人材が4名いることがわかった。その4名よりは能力的に劣るが、それでも魅力的な人材がさらに4名いた。残りの応募者はB社にとって必要のない人材だと判断された。しかし、採用枠が2名なので、ほとんどくじ引きのような決断で2名のみを採用することにした。
分かりやすい例
ネットワークビジネスにおけるメンバーの参加
労働者の雇用によってもたらされる利潤の増分がプラスである限り、企業は労働者を採用し続けるべきである。
限界コスト=限界収入となるところまで採用し続けるべきである。
企業の財務状況とは無関係である。
限界生産力逓減の法則
C社の採用選考の最終候補者として、対照的な2人が残った。X氏は、安定的に年間2000万円を稼ぐことのできる人材である。Y氏の業績予想は不確実で、50%の確率で、年間5000万円の利益を稼ぎ続ける可能性があるが、残り50%の確率で年間1000万円の損失を出し続ける可能性のあるリスキーな人物である。C社としては、どちらを採用するのが合理的なのだろうか。
X氏がもたらす期待収入=2000万円/年
Y氏:
0.5×5000万円+0.5×-1000万円=
2000万円/年+オプション価値
あなたはプロダクションのスカウトで、将来のアイドル・スターの卵を探すため、街を歩く少女をスカウトしている。容姿も性格も強烈で、まったく世間に受けない可能性もあるし、それによってもしかしたらプロダクションの信用を失う可能性もあるが、もしかしたら大化けして大スターになるかもしれない何かをもっている少女と、容姿も性格も並で、大化けはしないがそこそこコンスタントに何かの仕事がこなせそうな無難な少女と、どちらをスカウトするか。
期待値と給料が同じ2人の労働者がいるとするならば、リスクの大きい労働者を採用するべきなのである。なぜなら、ダウンサイドリスクが顕在化した時点でその労働者との雇用関係を解消すればよいからである。
従業員の生産性がわかるのに要する時間が短ければ短いほど、リスキーな労働者の価値は高い
労働者が若ければ若いほど、リスキーな労働者を雇う価値は高い
オプションの考え方=オプション価値の考慮
オプション=選択する権利=権利には価値がある=保険(一定の保険料さえ払えば、特定の状況下で多額の保険金を受け取る権利がある)
オプション価値を給料(報酬)として支払う=ストックオプション
A社の人事部門は、今年度の採用の方法について考えていた。目標は明確で、いかにして自社にとって必要な人材(費用対効果から見て有能な人材)を採用できるかである。そのためには、募集活動をして、有能な人材に自社を受けてもらわなければならない。
募集案内をするにしても、どうすれば、自社にとって必要な人材だけが応募し、そうでない人材が応募してこないようになるのだろうか。そうすれば、少数でも質の高い応募者が獲得でき、そこから選考をすれば、選考コストもそれほどかからない。
解決策の一例=膨大な量のエントリーシートを書かせる
自分の生産性についてはよくわかっている応募者(企業側はよくわかっていない=情報の非対称性)が、自分がその企業で高い生産性をあげることができないことをわかっていながら、うまくその企業にもぐりこんで、自分の生産性に比して割高な報酬を受け取ろうとする行動(逆選択)をどうすれば防ぐことができるか。
応募に当たっての資格要件を付する
資格取得能力と職務業績との相関
資格のある労働者とそうでない労働者の賃金格差が大きくない(大きくないということは、それでも資格を取得する人材の能力が高いことが示唆される。大きいと、無理してでも頑張って資格をとろうとする人がでてくる)
必要とする人材にとっては資格取得が易しく、そうでない人材にとっては資格取得が難しい。
不確定契約にする
出来高払いにすると、業績をあげる自信のある人のみ応募してくる
能力の把握が短期間で難しい場合は、仮採用(試用期間)という手段も考えられる
適切な仮採用期間の設定(以降は終身雇用権)

労働者の雇用によってもたらされる利潤の増分がプラスである限り、企業は労働者を採用し続けるべきである。
限界コスト=限界収入となるところまで採用し続けるべきである。
企業の財務状況とは無関係である。

A社の人事部門は、今年度の採用の方法について考えていた。目標は明確で、いかにして自社にとって必要な人材(費用対効果から見て有能な人材)を採用できるかである。そのためには、募集活動をして、有能な人材に自社を受けてもらわなければならない。

募集案内をするにしても、どうすれば、自社にとって必要な人材だけが応募し、そうでない人材が応募してこないようになるのだろうか。そうすれば、少数でも質の高い応募者が獲得でき、そこから選考をすれば、選考コストもそれほどかからない。

応募に当たっての資格要件を付する
公認会計士、司法試験合格者、インターンシップ経験者、膨大な量のエントリーシートを書いた人のみ応募資格

不確定契約にする
出来高払いにすると、業績をあげる自信のある人のみ応募してくる
例:一部の外資系企業
能力の把握が短期間で難しい場合は、仮採用という手段も考えられる
重要なポイント
仮採用期間の給料を低く抑えて、正社員採用後の給料を高める

C社は中小企業であるが、事業も成長を続け、毎年採用する新卒枠に対する応募者も増えてきた。最初の頃は、そもそも応募してくる学生が少なかったので、よっぽどのことがなければ採用を決定していた。
しかし、知名度も上がって応募者が増えてくると、その中からもっとも望ましい人々を採用する必要がある。しかし、近年、自社独自で選考をやっているのだが、どうも採用する前によいと思った人材が、入社後に期待はずれになってしまうことがしばしばあることに気がついた。人材の採用は非常に高い買い物である。
そこで、採用コンサルティングの会社に相談した。採用コンサルティング会社には、採用・選考に関するノウハウがある。しかし、選考の精度を高めようとすればするほど、コストがかかる。では、C社は、選考の精度をコストを支払って行なうべきであるか。そうであるとすれば、どれくらいまでコストをかけるべきであるか。

応募者の選別は、それに伴うコストが小さいほど大きな利益をもたらす
応募者の選別は、その結果として大勢の応募者が不採用になるほど大きな利益をもたらす
選別の対象となる労働者を雇用した場合に生じる費用が大きいほど、応募者を選別することは大きな利益をもたらす。
新規学卒一括採用は、わが国の人事制度を特徴付けるやり方のひとつである。一括採用の場合、応募の段階、もしくは選考の段階では、どの部署のどのようなポジションに応募しているというわけではなく、総合職とか一般職といった、ぼんやりとしたくくりの中で応募しており、最終的に入社して配属されるまで、どの部署でどの仕事をやることになるかわからないことが多い。

また、日本では、大学で勉強する内容と、企業に入社してからこなす仕事との関係が薄い。そのような状態では、企業としても、採用選考をしただけでは、本人がどの仕事に最も適しているかを判断するには早すぎる。では、いったいどのように配属先を決めるのだろうか。

仮に、新卒新入社員30人の配属先として、営業と経理の2つがあり、それぞれ定員が半分ずつであるとしよう。新人なので、それぞれの適性はまだはっきりしない。この場合、それぞれについて、営業と経理とどちらが得意なのかを把握し、得意な方に配属すればよいのか。しかし、その場合、適性を把握するにはコストがかかることも考慮しておくべきである。それだけのコストをかける意義はあるのか。どうやって、適性把握コストを正当化するのか。また、例えば30人中20人が経理よりも営業のほうが得意であるということがわかった場合、どうすればよいのか。

ある職務に配属する人数を変えることができるならば、労働者は絶対水準で見て最も高い生産性を達成できる職務に配属されるべきである。
職務の定員が固定されている場合は、労働者は絶対的優位性に基づいてランク付けされ、そこから定員が埋まるまで適切な職務に配属されるべきである。
労働者が非常に異なった技能を持っている場合、配属が重要となる。Aは得意でBは苦手というような差が存在する場合、配属への選別が大きな価値を生み出す。
労働者が同質的で、どのような職務でも技能が類似している場合、選別はあまり大きな価値をもたない。


 賃金は、従業員から企業の目的に沿った努力を引き出すための「インセンティブ」としての役割を担う
 賃金が適切に設計されれば、従業員は、企業の意図するとおりに行動し、その行動に努力を振り向ける
 ここでは、従業員が企業の意図どおりに努力すれば、それは企業業績につながると仮定されている

全く同じビジネスで、同じ商品を扱うA社とB社がある。唯一の違いは、両者の給与の仕組みである。営業職の社員の給与に関して、A社は固定給である。B社は歩合給である。つまり、A社は業績に関わらず給与は安定している。B社は業績がよければ給与はあがり、悪ければ給与は下がる。
仮に、A社とB社の移動は自由にできるものとすると、どのタイプの労働者がA社に、どのタイプの労働者がB社に移動するようになるか。そして、その結果、A社とB社を比べた場合、どちらがよい業績をあげることができるか。
歩合給には業績測定コストが生じるため、業績測定コストが高まれば高まるほど、歩合給から差し引かれる金額が増大する。よって、本人の能力からみて、固定給の企業の給料と、歩合給の企業に移った場合に期待される給料が等しくなる点が生じる。その点以上の能力を持つ人物は歩合給の企業に流れ、それ以下の人物は固定給の企業に流れることになる。
ただし、能力の高低と、人材の割安・割高(W/Q)とは別問題。

 タクシー会社が、車を貸与し、ドライバーがガソリン代を負担する。売り上げの100%がドライバーの手に渡る。
 タクシーのレンタル料を低く設定する代わりに、歩合を50%とする(売り上げを会社とドライバーで折半する)
 タクシー会社はドライバーに固定給を払う。車やガソリン代は会社負担。
メーカー営業職の場合
 製品の粗利が10%の時に、売り上げの10%を営業職の歩合給とする。ただし、営業職は、固定費用として営業権もしくはオフィス賃借料を会社に前もって支払う。
 10%の代わりに、8%に歩合給を落として、企業利益の増大を狙う。
 10%の代わりに、11%の歩合として、営業職のモチベーションアップを図る。
収益の100%の歩合(売上げで見ると100%ではない)にしたときに最も企業業績を高める(固定収入を限界まで吊り上げることにより)。
その根拠は、100%以下になればなるほど、労働者にとっての仕事の価値が低くなり、より多く売ろうとするインセンティブが低下する。よって企業は労働者から利益を引き出せなくなる。歩合が高まれば高まるほど労働者のインセンティブが高まり、努力する。しかし、歩合100%を超えてしまうと、労働者が売れば売るほど企業は損をする。よって、利益を最大化できない。利益が最大化する点は歩合が100%の点である。

 変動給(結果に基づく報酬)の短所は、測定コストが高いことである(とりわけ質的なアウトプットの測定コスト)
 測定コストを節約するために、量的な測定に傾くと、労働者は量を追求し質を軽視するようになる
 時給で支払われる事務職と、年俸で支払われる管理職の違い(定型的業務を行なう事務職は時間基準、非定形的業務を行なう管理職は仕事基準)
 報酬の変動リスクは企業と従業員のどちらが負担するべき?(一般的には、リスクを管理しやすい企業)。固定給はアウトプットの変動リスクを企業が負担することを意味する。

人々は通常はリスク回避的であることを考えると、上記のような誤差(リスク)の大きい業績給のインセンティブとしての価値は低い。企業としてはそれでも業績給を導入しようとするならば、高額のリスクプレミアムを従業員に支払わねばならない。逆に、従業員の努力がそのまま業績およびその業績の測定に反映され、かつ業績給に反映されるほど、業績給のインセンティブとしての価値は高い。


 タクシー会社が、車を貸与し、ドライバーがガソリン代を負担する。売り上げの100%がドライバーの手に渡る。
 タクシーのレンタル料を低く設定する代わりに、歩合を50%とする(売り上げを会社とドライバーで折半する)
業績給とリスク=努力が報酬に結びつかない可能性→業績給の効果が薄い
インフォーマティブ原理
人々は通常はリスク回避的であることを考えると、リスクの大きい業績給のインセンティブとしての価値は低い。企業としてはそれでも業績給を導入しようとするならば、高額のリスクプレミアムを従業員に支払わねばならない。逆に、従業員の努力がそのまま業績およびその業績の測定に反映され、かつ業績給に反映されるほど、業績給のインセンティブとしての価値は高い。

インセンティブ強度原理とは、最適なインセンティブの強度は次の4つの要因に依存するというもの。それらは、(1)追加的努力がもたらす利益の増分(努力の辛さを超える報酬が期待されること)、(2)期待されている行動に対する評価の正確さ(業績および業績評価の誤差のなさ)、(3)エージェントのリスク許容度(リスク・誤差を嫌う度合い)、(4)エージェントのインセンティブに対する反応の強度(インセンティブの度合いに応じて行動を変えることができる自由度)である。
モニタリング強度原理とは、エージェントが受け取る給与の業績に対する依存度を高めようとする意図があるなら、業績測定をより注意深く行なうほうがよいというものである。業績測定(モニタリング)に費用をかければ、測定誤差が小さくなると仮定するならば、モニタリングに費用をかける場合は、インセンティブ強度(例えば努力の増分に対する利益の増分の度合い)は小さくてもよいが、モニタリングに費用をかけない場合は、強いインセンティブ強度が必要となる。
均等報酬原理とは、2つの異なる業務に対する従業員の時間や労力の配分を雇用主がモニターできない場合には、それぞれの業務に対して時間あるいは労力を配分することから得られる従業員の限界収益は等しくなければならず、さもなければ、より低い限界収入しかない業務には時間も労力も配分されないということを示す原理である。
つまり、人は複数の仕事において、追加の努力によって得られる対価(利益の増分)をてんびんにかけているから、両者が異なれば、当然、割のよい仕事(利益の増分の大きい仕事)を優先することになるのである。
A社の人事部は、社員教育についての真剣な議論を続けていた。論点は、今以上に研修予算をとって、社員教育を充実させるべきかどうかというものである。

企業業績を高めるためには、社員の能力が向上し、適切な人件費で実力を発揮してもらう可能性がある。よって、能力を向上させるには、教育投資は欠かせない。
しかし一方で、企業が一生懸命社員に教育しても、その社員がライバル会社に引き抜かれたりしたら、その社員に投資した教育費用が水の泡と化してしまう。つまり、投資を回収するまえに、社員に辞められてしまう可能性があるということだ。それだけではない、その社員を引き抜いたライバル企業は、自分は教育投資をすることなく、すでに投資をされた能力ある社員を獲得することができてしまい、当社の教育投資の回収分を横取りされてしまう。。
だとすれば、教育投資をした能力ある社員をやめさせない工夫が必要となる。そのために、より高い給料を与えたり福利厚生を充実させたりして、社員が自社を去ろうとするインセンティブをなくそうとするならば、それは企業にとってコスト増につながる。せっかく教育投資をして企業収益をあげても、人材を引き止めるためのコスト増によってその効果が打ち消されてしまったら意味がない。しかも、人材引きとめ策の強化が、実際にはやめてほしい人材まで自社に居残る結果につながり、企業業績に悪影響を及ぼす可能性もある。

 どのような場合に従業員を教育すべきか
 株主および従業員双方にメリットがあるようにするには、教育投資と報酬(給与など)の関係をどうすべきか
 教育投資をした従業員の給与は上げるべきか
 どのような訓練をするべきか(どこでも使えるスキルか、その企業でしか通用しないスキルか)
 訓練した従業員を引き止めるにはどうすればよいか
 訓練の対象となる従業員をどう選別するべきか
 合理化が必要なとき、誰を解雇すべきか

人的資本理論
人的資本には、一般的人的資本と、企業特殊的人的資本の2種類がある。
この違いによって、教育投資の方法が異なる。

一般教育訓練の場合、誰が教育を受けるかという問題は極めて単純である。訓練を希望し、喜んでその費用を負担しようと思う人は誰でも、訓練を受けることが可能であり、またそうするであろう。企業にとっては、実際の生産性以上の賃金を支払わないかぎり、生産的な労働者であろうが非生産的な労働者であろうがかまわない(利益の影響を受けない)。

企業特殊的人的資本 = 会社の利益につながる真の要因
競争優位性の資源ベース理論
 経済的価値
 希少性
 非代替性
 模倣困難性
企業独自の特殊ノウハウ、門外不出の技術など
企業が全額教育訓練を負担し、その投資分を回収しようとすれば、労働者は辞められたときに回収困難に陥る。労働者は投資を負担していないので、辞めても得もしないが損もしない。
労働者が投資負担をするならば、企業側に、労働者を搾取するインセンティブが生じる(投資回収分の給料を支払わないとか、採用時に低賃金に甘んじさせて、実は熟練を採用し、投資を節約するなど)。
企業と労働者が、費用と利益を共有することが解決策となる。


現在価値とは、将来生み出されるキャッシュフローを、現在の価値に割り引いたもの。
一般的人的資本:どこにでも通用するスキル
企業特殊的人的資本:その会社でしか通用しないスキル
一般教育訓練は、会社が費用を負担してはいけない。
一般教育訓練の場合、誰が教育を受けるかという問題は極めて単純である。訓練を希望し、喜んでその費用を負担しようと思う人は誰でも、訓練を受けることが可能であり、またそうするであろう。企業にとっては、実際の生産性以上の賃金を支払わないかぎり、生産的な労働者であろうが非生産的な労働者であろうがかまわない(利益の影響を受けない)。

企業特殊的人的資本 = 会社の利益につながる真の要因
 経済的価値
 希少性
 非代替性
 模倣困難性

企業特殊的職場訓練
企業が全額教育訓練を負担し、その投資分を回収しようとすれば、労働者は辞められたときに回収困難に陥る。労働者は投資を負担していないので、辞めても得もしないが損もしない。
労働者が投資負担をするならば、企業側に、労働者を搾取するインセンティブが生じる(投資回収分の給料を支払わないとか、採用時に低賃金に甘んじさせて、実は熟練を採用し、投資を節約するなど)。
企業と労働者が、費用と利益を共有することが解決策となる。

本人が辞めにくい、長期間勤続する(当社のみでしか得られない投資リターンを得るため)
会社に執着心を持つ、コミットする(自分が得ることのできるリターンを確保するため)
企業から見て、訓練による生産性の向上の可能性が大きく、かつ転職の可能性の低い人物を選別して、企業特殊的職場訓練を受けさせるべきである。誰でも希望すれば受けさせるべき一般訓練と異なるところである。

企業業績の悪化で従業員を削減しなければならない場合、どの層を削減対象とするのが合理的か。
希望退職制度を導入するとした場合、割り増しの退職手当はいくらに設定するのが適切か。

若年中高年比率:企業にとっては、若手も中高年も両方必要
産業の技術進化が極めて早い場合は、若年層が新技術を身につけている可能性が高い。 若年>中高年
仕事上で身につける能力の量は、学校などで身につける能力の量よりも少ないと、中高年によるOJT教育(特殊技能の伝承)などのニーズが少ない  
若年>中高年
企業の経験に独自性がある場合(企業特殊的人的資本)、企業に勤め続けるしかそういった能力を身につけることができないので、中高年者の価値が高い。
若年 =< 中高年 ==>2007年問題
人員削減が必須の場合には、適切な若年中高年比率を考慮しながら人員削減をしなければならない


不況もしくは其の他の要因により、企業の製品需要が減り、それが原因で企業業績が悪化したとする。企業は、製品価格の値下げなどの施策と同時に、やむを得ず人員削減策を実行するとする。人員削減をすることが決まっており、社員のどの層(話を単純化するため、年齢や勤続年数)を解雇しなければならないかについて最適な策を考える。

企業の全従業員の相対的貢献度(生産性の分布の形)が一定だとするならば、企業業績の悪化による製品価格の値下げは、すべての従業員の生産性を一律に切り下げる方向に働く。

入社したての社員の現在価値とその社員の給料の現在価値が、業績悪化前で等しいとするならば、業績悪化後は、社員の現在価値のみが低下することによって、企業にとってはマイナスの負担となる。またこの社員は、今後、企業特殊人的資本として投資していく予定であるわけであるから、来年、再来年と、企業の持ち出し(マイナス)は続き、企業業績への負担は増大する。よって、入社したての新人から解雇していくという選択肢が残る。
同様に、定年間際の社員について、現在価値と給与の現在価値が等しい、もしくは、これまでの総貢献度と総賃金が収支トントンのあたりに近づいている場合、企業業績の悪化で、社員の貢献度が一律低下することによって、企業が損をする常態に陥る。この損を防ぐには解雇するという手段が考えられる。また、企業は、企業特殊的人的資本への投資の回収もほぼ終わりかけている。よって、企業業績の悪化によって人員削減が必要なときは、定年間際の社員から解雇していくという選択肢が残る。



上記2つの、選択肢以外の、年齢・勤続年数の中間層の社員については、企業はすでに企業特殊的資本に投資をしている最中、もしくは回収の途中であり、投資してできあがった企業特殊的人的資本を、未回収のまま解雇するのは得策ではない。この種の社員は勤続することによって、投資した分を回収できるため、企業にとどめておくべきである。

労働者にとっての代替物の現在価値が現在の企業における生産性の現在価値を上回っている限り、手当てを支給しても損にならないような退職の買収が可能である。


代替物=その会社を辞めた場合に得られる価値(例:余暇の価値、転職先企業の賃金)
V=業績悪化前の生産性
βV=業績悪化後の生産性
PV(W)=将来賃金の現在価値
PV(A)=将来の代替物の現在価値
PV(V)=業績悪化前の生産性将来総額の現在価値
PV(βV)=業績悪化後の生産性将来総額の現在価値
割り増し退職金をいくら払えば、喜んで辞めていくのか。
賃金の現在価値<将来代替物の現在価値+割増金
割増金>賃金の現在価値−将来代替物の現在価値 を満たしておればよい
ただし、将来代替物の現在価値>業績悪化後の生産将来現在価値の場合のみ

含み損=賃金の現在価値−業績悪化後の生産将来現在価値
確定損失=退職割増金

時給=12ドル+0.5×学歴年数
生産性=利口:20ドル/時 のろま:18ドル/時

同業を営むA社とB社がある。新卒初任給は、A社がB社よりもかなり高い。A社が25万円なのに、B社は15万円だ。しかし、なぜかB社のほうが人気が高い。なぜだろうか。それは、昇進と賃金のからくりに原因がありそうだ。A社は、初任給こそ高いが、その後の賃金の上昇はなだらかである。昇進してランクがあがっても、昇給額はそれほどでもない。一方、B社の場合は、初任給は低いが、何年かのちに昇進のチャンスがあり、昇進できると年収が大幅にアップする。入社後10年くらいたつと、順調に昇進していったB社の社員は、平均的なA社の年収の1.5倍もあるのである。
しかし、注意しなければならないからくりもある。B社の場合、昇進をし続けると、そのたびに年収が大幅にアップしていく。しかし、昇進できなかったり、昇進がとまると、年収が低い水準で止まってしまうことだ。当然のことながら、組織のポストは上にいけばいくほど狭まってていくため、全員が昇進できるわけではない。入社後には昇進レースが待っているのである。
出向・転籍
昇進に伴う昇給が大きいほど、人々は昇進しようと一生懸命努力する。
賃金体系には、「水準」と「スプレッド」の2つの次元の特徴がある

昇進の確率が努力に依存しなくなるにしたがって、労働者の努力は減少する。
昇進が運に左右される度合いが強まる場合、上級職と下級職の賃金スプレッドを拡大することによって、努力の減少傾向を相殺することができる。

賃金水準の役割=本人をモチベートさせるためではない。

○ ○○株式会社人事部長
○ ○○株式会社人事部 担当部長
○ ○○株式会社人事部人事1課長
○ ○○株式会社人事部人事1課 課長

絶対評価相対評価
総額人件費の変動
共謀の可能性
トーナメントの横はいり(外部調達)
ピーターの法則
人は無能になるまで昇進する
よって、多くのポジションは無能な人で占められる
よって、会社はまだ無能になっていない人によって成り立っている
優秀な選手=優秀な監督?

ただ乗り効果=フリーライディング
例:大学の講義で、グループプロジェクトの成果で、全員の成績が決まる。
チーム内のコミュニケーション
メンバー間の信頼関係
チームの一体感
相互監視機能
従業員出資説=債券出資説と株式出資説
債券出資説=元本プラス利子を受け取る
株式出資説=配当プラスキャピタルゲインを受け取る
ねずみ講

ピーターの法則
階層社会では、ひとは無能になるまで昇進しつづける。よって、組織のポジションは無能なひとで占められ、組織はまだ無能に達していない人によって支えられている。

逆選択
情報の非対称性ゆえに、結果的に望ましくないものを選択してしまうこと。

企業特殊的人的資本
その企業でしか活用することができないが、企業競争力の源泉となりうる知識やスキル

機会費用
ある選択を行わなかったときに得られたであろう利益

企業統治における従業員主権 ←→ 株主主権
コーポレートガバナンス
日本的経営のもとでは、従業員の立場が弱い。よって、経営側が従業員を搾取しないよう、従業員に主権を持たせる。

プロフィットシェアリング:企業の超過利益の一部を従業員に還元
ゲインシェアリング:企業の生産性向上(例、コスト削減)による利益の一部を従業員に還元

ストックオプション=ノンキャッシュ、現物なし、正体=決まった値段で自社株を買える権利。たとえば、時価1000円の株を、800円で買える権利。ベンチャー企業などが優秀な人材を獲得、維持するために多用する。
従業員持ち株制度

オプションの枚数
行使価格・期間
報酬にしめる割合

行使価格800円のストックオプション1枚
株価1000円→2000円になると、1200円

行使価格999円のストックオプションを200枚
株価1000円→2000円になると、1001円×200枚=200200円

ストックオプションは、設計次第でテコの原理が働くが、それだけ、企業や株主の負担が増える。

景気後退のあおりをうけ、A社の売り上げは減少ぎみである。需要が減退しているため、製品の価格を下げざるをえず、それがA社の利益を圧迫し、人材の余剰感がでてきている。

経営会議で、以下のような提案が生産部門から出た。人材に余剰感がある。しかし、リストラによる人員削減には踏み込めない。よって、余剰人員を活用するために、現在外注している部品の内製化をすすめたい。すなわち、部品の購入をやめ、生産部門の一部人員を異動させて自社の社員にやらせるわけである。そうすれば、あまった人材を活用することによって、部品の購入費が節約できるため、企業にとって、利益の上昇要因になる。

このロジックは正しいだろうか。→ 正しくない。企業の損失拡大の恐れあり。

機会コスト(費用)
もし、人員を内製部門に移すとすれば、移すことによって、現在行なっている業務が失う利益。話はちがうが、例えば会社を休職して大学に通う場合、授業料だけがコストではなく、休職することによって失う利益(働きつづけていたならば得られる給与総額)も「機会コスト」として考慮すべきである。つまり、会社を休職してまで勉強することによって得られる価値が、授業料+機会コストよりも高ければ、その選択肢は経済合理的である。授業料とだけ比べるのは不適切である。

原価計算方式:ある売買契約を交わすときに、原価に一定のマージンをつけて売買すること。
プロジェクト方式:売買契約では最初にプロジェクトとしての価格を決めて、それを実行すること。

フランチャイズか直営か

ある大手のガソリンスタンド会社は、直営とフランチャイズの両方をミックスした経営をしている。この会社は、片田舎のガソリンスタンドにはフランチャイズ方式で、高速道路や幹線道路におけるガソリンスタンドには直営方式で、経営をしている。この根拠は何か。

どちらの形式にしたときに、よく働くか。
フランチャイズ=歩合給に近い。田舎の場合、ほとんどが固定客
直営店=固定給に近い。駅前とか高速道路のサービスエリア、不特定多数の顧客

B社は、固定給の報酬から、成果に応じたボーナスを含む報酬に変えることを考えている。そうすることによって、どれだけ会社の利益が増大するかをあらかじめ予測したい。(年功序列から成果主義に変更する場合の効果)。

問題:従業員全員のモチベーションは上がるか?
答え:上がる社員もいれば、上がらない社員もいる。
上がらない社員が去り、代わりにモチベーションが上がる社員が増えれば、企業業績も上がる。

非金銭的報酬=金銭を伴わない報酬
例:内的報酬=仕事のやりがい、仕事の面白さ
フレックスタイム、裁量労働制
社会的ステイタス

人によっては、給料が安くても非金銭的報酬が得られる職場を選ぶ。
経済学的考え方と矛盾するのか? → 矛盾しない。
経済学では、人はお金のために働くと仮定しているわけではない。
経済学では、人は自分の利益(幸福度)を最大化するように行動する。
経済学では、幸福度も貨幣価値で計算できると仮定する。

面白い仕事、やりがいのある仕事で年収300万円の会社から内定もらった。
つまらない仕事、やりがいのない仕事で年収400万円の会社から内定をもらった。
必ず、どちらか迷って決められない点(=均衡点)が存在する。
面白い仕事、やりがいのある仕事は、金額に換算すると100万円である。
非金銭的報酬であっても、金銭的価値に換算できる。

いま、フレックスタイムの価値が50万円だとする。
A社は、新しくフレックスタイム制を導入し、その分、個人の給与を50万円カットした。→非金銭的報酬の導入により、実際の利益が上昇。

B社は、従業員のがんばりによって業績が上がった。
ア) よって、B社は全員分の給料の10%分のボーナスを支給した。
イ) 社長がじきじきに全員に手紙を書き、それを手渡し、功労をねぎらった。
ほめることは典型的な非金銭的報酬

趣味がウインドサーフィンの人=フレックスタイムの価値は100万円
趣味が将棋の人=フレックスタイムの価値は20万円

福利厚生
なぜ、会社は福利厚生を提供するのか?
その分、給料を増やしたほうがいいのではないのか?

スケールメリット
節税効果
帰属意識・コミュニケーション