ビジネス特殊講義 [経営組織論Ⅱ] 講義ページ(北浜キャンパス)

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最終回の課題↓(5/15)。

  • これまでに読んだ資料、授業で扱ったトピック、ディスカッションなどを総合的に活用し、組織目標、戦略の実現と個人のキャリア形成や成長ニーズの両方を満たすことのできる人材マネジメントとは何かについて、できれば具体的(どんな仕組みや制度が求められるかなど)に考えてきてください。

レポート課題を発表しました(5/8)。
参考図書へのリンク(4/10)
Week1補足(4/10)
板書内容(そのままです)(4/10)

シラバス

コース概要

本クラスでは、経営組織における人々の行動、態度、成果に影響を与える人材マネジメントの仕組み、および組織の目的と個人のキャリアとの摺り合わせなどについて学習します。なお、科目名が「経営組織論Ⅱ」となっているが、経営組織論Ⅰ(昨年度開講)が本講義を受ける必須要件ではなく、経営組織論Ⅰを受講していない人が経営組織論Ⅱのみを受講しても構いません。


本クラスの特徴としては、ともすれば受身になりがちなレクチャーに偏ることなく、ケーススタディ、エクササイズ、ディスカッション、プレゼンテーションなどのクラスアクティビティとレクチャーを取り混ぜ、それぞれが自らの経験から得られた知識やスキルを仲間に提供し、お互いに学びあえるクラス運営を行ないたいと思います。受身の授業とは、3時間講師がしゃべり続ける授業です。このクラスはそれと正反対を目指します。つまり、クラス全体のクオリティを高めるために、みなさんからの積極的な貢献が求められます。

使用教材

リーディング資料(ケースと雑誌記事)(配布済みのもの+適宜配布分)
参考書(クラスでは使用しませんが本講座の内容に関連する良書です)

  • 守島基博(著)「人材マネジメント入門」日本経済新聞社 ISBN: 4532110017
  • 郄木晴夫(編)「人的資源マネジメント戦略」有斐閣 ISBN: 4641053812
  • 今野・佐藤(著)「人事管理入門」日本経済新聞社 ISBN: 4532132304
  • 金井壽宏(著)「働くひとのためのキャリア・デザイン」PHP研究所 ISBN: 456961941X
クラススケジュール
Week1:人材マネジメントをとりまく環境・人材マネジメントの基礎

クラス形式:自己紹介、ディスカッション、レクチャー

本コースの最初ですので、まずは自己紹介をしながら、お互いに学びあえる雰囲気づくりをしましょう。本コース全体の流れが説明されたあと、事前のリーディングに基づいて、わが国の組織における人材マネジメントを取り巻く環境がどのように変化してきているのかについてディスカッションしましょう。その後、組織における人材マネジメントの基本的なフレームワークについて概観しましょう。

リーディングアサインメント(初日のまえにあらかじめ読んできてください)
  • 序章(守島編「21世紀の戦略型人事部」)
  • 企業経営と人的資源マネジメント(郄木晴夫監修「人材マネジメント戦略」)
  • 社員の寿命は15年(日経ビジネス
  • 人材不足パニック(週間ダイヤモンド)
  • 失敗しないパート活用術(日経ビジネス
ディスカッションクエスチョンズ(初日までに考えてきてください)
  1. わが国の経営組織の人材マネジメントを取り囲む環境はどのように変化してきているのか。
  2. わが国の人材マネジメントはどう変わっていく必要があるか。
  3. 組織の人材マネジメントに関して、トップマネジメント、人事部門、ミドルマネージャーそれぞれが果たす役割は何か
Week2:人材調達・適材適所とリテンション

クラス形式:ディスカッション、レクチャー、エクササイズ

この回では、企業が業績を高めるために、どのようにして自社に必要な人材を引きつけ、適切に選抜して適材適所を実現し、そして優秀な人材をひきとめるかについて考えます。また、新卒採用を中心とする長期雇用および育成型の人事施策と、新卒・中途採用にかかわらず、即戦力を重視し、長期雇用を前提としない人事施策について対比しながらそれぞれの特徴を理解します。エクササイズでは、グループにわかれて、架空企業の採用戦略について考えてもらいます。

リーディングアサインメント
  • 戦略的採用ブランディング(関口)
  • 信頼性・妥当性という考え方(二村著「人事アセスメント入門」)
  • 採用のリアリズム、組織コミットメント、長期雇用と人材、人事戦略の費用対効果(金井・守島・高橋著「会社の元気は人事がつくる」)
  • コア人材を引き止める法(ピーター・カッペリ)
ディスカッションクエスチョンズ
  1. 優秀な人材の流出を防ぐためには、企業としてどのような施策をとるべきか。
  2. 新卒採用中心で終身雇用(長期雇用)を基本とする人事施策と、新卒中途にかかわらず、即戦力重視で、終身雇用を前提としない人事施策とを比較した場合、それぞれの長所、短所は何か。
  3. あなたが企業の採用責任者であったならば、優秀な人材を獲得するために、どのような採用戦略を練るだろうか。また、採用選考ツール(筆記試験、面接、その他)としては、どのようなものを使うか。
  4. 人材募集をかけるにあたって、自社の良いところばかりを宣伝することは望ましいのだろうか。応募可能性のある人々に対して、自社の問題点を包み隠さず知らせるべきだろうか。
Week3:組織におけるインセンティブ・システム

近年のわが国における人材マネジメントの大きな話題は、成果主義の浸透と、それに対する批判です。成果主義は、とりわけ企業における報酬設計のあり方と、従業員に対するインセンティブの与え方とに大きく関連しています。今回は、こういった成果主義の議論を含み、企業業績を高めるために、どのような適切な報酬パッケージをデザインし、それによって従業員のモチベーションを引き出すかについて考えてみます。また、報酬以外のインセンティブの仕組みとして、昇進や年功序列についても考えてみます。エクササイズとして、成果主義と年功主義のどちらがわが国にとって望ましいかに関するディベートを行います。また、グループにわかれて、架空企業の報酬戦略についても考えてもらいます。

リーディングアサインメント
  • 報酬をめぐる六つの危険な神話(フェッファー)
  • 成果主義賃金はうまく機能するか(熊谷)
  • 情報の経済学から見た日本の人事システム(神戸)
  • 成果主義がチーム力を強化する(釘崎)
  • 動機づけとしての昇進(ラジアー著「人事と組織の経済学」)
ディスカッションクエスチョンズ
  1. いわゆる日本的な年功序列処遇と、近年浸透しつつある成果主義それぞれについて、長所と短所は何か。日本企業に向いているのはどちらの方法か
  2. 企業の報酬制度(賃金、給与の仕組み)をデザインするさいに考慮すべきポイントは何か
  3. 企業の昇進構造が社員のモチベーションに果たす役割と問題点は何か
Week4:戦略・組織と人材マネジメント

企業の人材マネジメントの大きな目的は、企業戦略を実現するために人材の持つポテンシャルを最大限に引き出すということです。したがって、人材マネジメントと、企業の戦略そしてその戦略を実行するための組織のあり方とは、密接な関係にあり、とりわけトップマネジメントや人事制度の設計者は、この関係について熟慮する必要があります。今回は、ベネッセコーポレーションケーススタディを用いて、みなさんが戦略、組織、人事制度の設計担当者(責任者)であった場合、どのような点に考慮して進めるべきかについて考えます。また、海外企業の事例として、サウスウェスト航空の人材マネジメントについてもケースを通じて理解を進めます。

リーディングアサインメント
  • ベネッセのケース
  • サウスウェスト航空(オライリー・フェファー著「隠れた人材価値」)
ディスカッションクエスチョンズ
  1. ベネッセは、どのように人事制度を変革したか、それは、ベネッセの戦略や組織の変化とどう対応しているか。
  2. 人事制度の変革は、ベネッセのミドルや現場社員にどういった影響を及ぼしたのか。
  3. ベネッセが抱える組織上、人事上の問題は何か。あなたがベネッセのトップマネジメントならば、今後ベネッセの組織構造や人事制度をどのようにデザインしなおすだろうか
  4. サウスウェスト航空の競争力を支える同社の人材マネジメントの特徴は何か
Week5:キャリア・デザイン

クラス形式:ケースを用いたディスカッション、レクチャー

ここでは、個人のキャリア・デザインを念頭におきながら、組織の戦略や人材マネジメントとの摺り合わせや、キャリア・カウンセリングの役割といった観点も織り交ぜて考えてみることにします。まず、「榎本氏の就職活動」を用いた全体ディスカッションを行ない、企業や個人がかかえるキャリア・デザイン上のさまざまな問題についての理解を深めます。次に、イバーラの論文などを参照しながら、キャリア・デザインの方法について考えて見ます。

リーディングアサインメント
  • ケース
  • キャリア転換を成功させるコミュニケーション術(イバーラ)
ディスカッションクエスチョンズ
  1. 榎本氏は、再就職活動の中でどのように自分自身を変化させてきたか
  2. 田中氏が果たした役割は何か
  3. 榎本氏のキャリア・デザイン上の将来的な課題は何か
  4. このケースから、個人のキャリアと組織の目的との摺り合わせという点でどのような教訓が得られるか
Week6:人材マネジメントと個人のキャリアの摺り合わせ

クラス形式:総合演習

最終回となるこの回では、前5回で学んだことを総合的に活用し、組織目標、戦略の実現と個人のキャリア・ニーズの両方を満たすことのできる人材マネジメントとは何かについて考えてみることにします。

リーディングアサインメント
  • リーダーシップ開発とキャリア開発(金井、守島、金井)
  • その他(後ほど配布)
ディスカッションクエスチョンズ
  1. 追ってお知らせします。