阿部(2009)による「文章力の基本」のうち、シンプル文章術に通じるものを有用なものをいくつか紹介する。シンプル文章術は「良い文章=明快な文章」を書くためのもの。ポイントは「言いたいことが明確」で「頭を使わなくてもスラスラと分かる」もので「簡潔な文章」であること。
もっとも基本的な技術
- 文の幹の形(主語+述語)をシンプルかつ明確にする
- 句点(。)を打って文章を短く言い切る勇気を持つ
- 主題は早く登場させる。いきなり核心に入る
文章構造の技術
- 文の前半と後半をかみ合わせる
- 論理的に首尾一貫させる
- 削れる言葉は徹底的に削る
- 意味のない言葉(「基本的に」など)、余分なつなぎ語(「そして」など)、余分な結びなどを書かない
- 同じ言葉や同じ意味の言葉を繰り返さない
- 修飾語と被修飾語を離さない
- 一度にたくさんの情報を運ばない。何回かにわけて運ぶか、一部諦める
- 婉曲的に、曖昧に、漠然と、考えて書かない
- まわりくどい、凝った表現を避ける
応用技術
- 目に浮かぶように書く
- 具体的なエピソードから入る
- なるべく事実に語らせて、解説を加えすぎない
- 読み手の側に立つ
- 読み手を待たせない。
- 読み手に謎をかけたまま終わらせない。読み手の期待を裏切らない