起業で流れを読む

現場には、現場にしか流れない、現場でしか感じることができない「風」がある。現場の風を知って、今の商品トレンドを正確に把握することは第一条件だ。・・・その時代の人気を集めるトレンド要因を重層化して企画化することが必要になるのだ(澤田 2005:115-117)。

私は人生においても経営の判断においても、自然の摂理を大切にして生きてきた。人間は自分の力で生きているようでいて、実は大きな宇宙的な自然の力で生かされているのだ。何事にも自然の摂理が働いており、一方に偏りすぎた現象は、やがてバランスを取る形で必ず修正される(澤田 2005:175)。

運の良いときというのは、それなりに何をやってもうまくいくときである。逆に運の悪いときというのは、何をやってもうまくいかず、かえってどんどん悪い方向にはまり込んでいってしまう。
そんなとき、私は次の2つの方法で、自らの運を変えようと努力してきた。
1. 悪い運が去るまでじっと待つ
2. 運のある人と積極的につきあうようにする
・・・彼ら(プロのギャンブラー)は、自分が運に見放されて負けが込んできたと感じたら、今まで10の力で勝負していた姿勢から、8に力を落とし、6に力を落とし、4に力を落として、局面が変わるまでじっと静観し始める。そして運の局面が変わり、再び自分のほうに運が向いてきたと判断したときから、もう1度新たな勝負を仕掛けていく。
自分に運を再び呼び戻すには、悪くなったときの"引き時"をわきまえる冷静さと勇気が必要なのである。
・・・運の良い会社=伸びている会社と取引をすれば、最初は1の取引であっても、取引先の会社がグングン成長していくにしたがって、同じ仕事をしていても取引量は1.5倍、2倍と伸びていくはずだ。
運のある人とつきあう、運のある会社とつきあう。私はこれを、ビジネスにおける大切な処世術であると考えている。ときには運のある場所といった考え方もできる(澤田 2005:203-205)。

陰と陽。世の中にあるものは、すべて陰と陽、プラスとマイナスで構成されている。光と影、正と悪、昼と夜・・・。この自然の成り立ちは、人間の力ではけっして変えられないものだ。いくら自分の目を覆っても、悪を否定したり、闇を否定することはできない。・・・陰と陽はまた、微妙なバランスで成り立っている。そこにバランスがある以上、バランスのとり方によっては陰は陽に変わり、陽は陰に変わることになる。また変わるということを前提に考えれば、バランスのとり方が非常に重要であることがわかってくるに違いない(澤田 2005:212)。