モジュラー化・オープン化するアメリカ経営学


アメリ経営学は、モジュラー化・オープン化という特徴を持つ。ひとつの支配的パラダイムが形成されると、それを進化させるためのノーマルサイエンスが始まる。そのプロセスでは、パラダイム全体が専門家・細分化され、世界中の研究者が、細分化されたパーツを、英語という共通言語を用いて研究・論文化する。そして、多くの研究・論文の価値は、支配的パラダイムを進化させるための漸進的貢献によって評価される。


モジュラー化された経営学研究で重要なのは、インターフェースの標準化である。細分化された個々の研究・論文は、それ自体で経営の実践や理解に大きな貢献をするものではない。しかし、パーツが集まった全体として見ることによって、経営の実践や理解に大きな含意を与えようとする。よって、個々の研究・論文がお互いに組み合わせることが可能なようなインターフェースが整備され、研究者は、それに厳密に従うことによって研究に貢献することになる。


研究・論文のインターフェースというのは、一言でいれば、方法論である。データ収集の方法から始まり、数量化(測定)の方法、統計分析の方法論などが、標準化されることによって、研究成果をさらに集積したり、共通の枠組みで解釈することが可能になるのである。言語も英語で統一される(オリジナルが他国後でも翻訳できれば可)。インターフェースが標準に従ってさえいれば、研究・論文の成果が支配的パラダイムの漸進的進化に適用可能なことから、研究への参加はオープンになる。よって、国籍・分野を問わず、世界中から研究者が参加するようになる。