洞察とは風に訊くこと

洞察とは、時の変化の法則性を知り、その方向を知ることです。・・・風が地上をあまねく吹き渡るのを観ることが洞察であると説いています。
風そのものには形がなく、目に見えず、耳で聞くことができません。しかし、体に感じたり、木々が揺れてざわざわと音がすることで風が吹いているとわかります。私たちは、間接的な媒体を通して、見聞きすることで風の勢いや力、方向性を知ります。
・・・時は地上を吹き渡る風のようなものです。時は常に変化して、流れ往き、目に見えず、言葉で聞くことはできません。しかし、私たちの周りには、常に方向を示す時の風が吹いています。人の言動や、起こるものごと、目に見えるものすべてが、今はどういう時か、時はどこへ向かっているかという方向性を示しています。目に映るもの、体験するすべてのことを通して時を知り、兆しを察することができるのです(竹村 2005:154)。