構想力

「方向性を決める」時に拠り所となるものは何であろうか・・・二つ目は、現象に惑わされるのではなく、変化の底にある「大きな流れ」や「本質」を見抜く力である。(西浦 2004:15)


「構想」を生み出すためには、「現場の視点」と併せて「大局的な視点」が必要である。「大局的な視点」とは、目先の変化に眼を奪われることなく、「大きな流れ」や、その流れの奥底にある「本質」を見る眼のことである。(西浦 2004:88)


必要なことは、大きな歴史の流れのなかで、「いま、われわれが立っている位置」をきちんと認識し、「周りの景色」を広く視野に入れることである。(西浦 2004:96)

私たちはジャンプするとき、いったん身体をこごめる。これはエネルギーを凝縮するための行為である。そのうえで、上空へ一気にエネルギーを発散させることによって、私たちはより高く飛ぶことができる。凝縮(編集)は、跳躍のために不可欠な前工程なのである。(西浦 2004:52)


最初に飛び立つ白鳥は、向うべき地やそのときの風向きなどをすべて頭の中にインプットしたうえで、飛び立つタイミングや方向性を決めるのだろう。まさに、この白鳥は「構想者」である。(西浦 2004:25)

いま起きつつあることは、けっして「AかBか」といった単純なものではなく、一見矛盾することが、縦横に絡み合いながら、同時に進行しているのである。流れの一面だけを見ると、いま起きつつあることの本質、さらには流れの方向性を見極めることができなくなってしまう(西浦 2004:107)。