ビジネスモデルの変遷


IT 産業における新ビジネスモデル
http://www.mri.co.jp/REPORT/JOURNAL/2004/jm04063003.pdf


日本のコンピュータ・家電産業
マルチサイド・ソフトウェア・プラットフォームの可能性
http://www.rieti.go.jp/jp/papers/journal/0506/rr01.html

各産業共通のパターンとして興味深いのは、「垂直統合の分化」がはっきりと進んでいる点である(図2)。IBMを例にあげてみよう。同社は当初、ハードウェアとソフトウェアが完全に一体化したネットワークに接続していないスタンドアローンのシステムを提供していたが、両者を切り離し別の産業とするアンバンドル化が進んだため、IBM用にプログラムを提供するソフトウェア産業が成長した。その後、マシンが小型化しワークステーションやPCの開発が進むにつれ、アップル、マイクロソフト、ノベルといった独立系のベンダーによって供給されるOSが、産業のカギとなる焦点、すなわちプラットフォームとなった。ただしアップルなど一部の企業は、OSとハードウェアの緊密な一体化を維持することにより、垂直統合の分化を完全には行わない戦略を採用してきたことは注目すべきである。同様の進化がPDA・携帯電話分野ではもっと短期間でみられた。メーカーによる単一目的の製品から、サードパーティー業者が提供する多種多様なアプリケーションとコンテンツをサポートできるソフトウェア・プラットフォームを土台とする小型コンピュータへと進化したのである。ゲームにおいても、ホームポンのようなシングルゲーム・システムから、アタリのVCS 2600のようなマルチゲーム・システムを経て、プレステやXboxといった数百ものメーカーがサポートするゲーム機に進化した。また、ゲーム産業では、ソフトウェアとハードウェアのプラットフォームが常に緊密に一体化した状態が続いてきたのは、興味深い。