流れと集中力

流れが読めれば集中力は持続できる

勝負事では、ゲームの流れで集中力が切れたりするので注意が必要である。集中力を持続するためには、流れに乗ることが大切だ。・・・たとえば、投手がボールを連発してムダな四球を与えたりすると、たとえその回は零点に押さえても、次の自分達の攻撃のリズムがこわれてしまう。試合に勝つという目的にチームの全員が向っているところで、無用な四球を与えたりすると、流れがとぎれてしまい、チーム全体の集中力が切れてしまうのだ。


仕事を推し進めるうえでも、流れを読むことは大切だ。たとえば、行き詰って長時間停滞していた会議が、思い切って休憩を入れることで見違えるように活気づいたり、逆にまとまりそうな展開の会議に安心して食事をしたとたんにだらけてしまったり。状況をよく見て、流れをせき止めない判断力が集中力をいかすことになるのだ。
谷川(2000:80-81)

流れを見極めれば決断のタイミングがわかる

決断は、何か目標や目的があるから起こることで、なにもなければ、流されるだけですんでしまう。・・・一局の中には、流れを決めるところが何か所かあり、そこで、しっかりとした決断を下すことが、勝ちを引き寄せるために必要なのだ。


特にポイントとなるのは中盤から終盤にかけて駒のぶつかるところである。急に流れが激しくなり、流れを変えるために長考したりする。たまには想像もしない局面に展開してしまうこともあるが、この形であればこう攻めよう、相手の玉を詰ますときはこういう感じで詰まそう、攻め切って勝つ、守り切って勝つ・・・。そうしたイメージがいくつかあって、手順を組み立てる。・・・ある程度見通しを立てておき、その局面になっても五分以上に戦えるという判断ができるようにする必要がある。決断には事前の助走がないと、その局面になったときに、はたと困ってしまうのである。


いったん流れが決まってしまうと、その流れに沿って指していかなくてはならなくなるので、この時点での選択が重大になるのである。・・・1つの流れを決めてしまえば、あとは仮に読んでいない手が出てきても、前の流れを生かすには「こう指すしかないな」と、次の手はあまり読まなくても出てくるわけである。


流れとして上手くいっている時は三十分から一時間考え、その先の何手かの流れを決める。そして、その後はほとんど考えずにノータイムで指し手を進め、次に岐路が出たときにまた考える。一時間長考して、相手が指し、直後にまた一時間考えるというのは、流れとしてはよくないのである。
現状を打破する力強い決断をするためには、流れを活かすための思考を常に心がける必要があるのだ。
谷川(2000:108-110)

引用文献


集中力

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