共時性の宇宙観

道教に代表されるような東洋の自然観では、自然を1つの大きな生命体とみる。それは、いわば心的エネルギーと物的エネルギーとが不可分な一体関係にあるという汎神論的な自然観に立っています。
(湯浅1995:17)


「気」が体内を流れるルートが経路です。これは何千年にわたる長い間にわたる臨床的経験のつみ重ねから発見されたネットワーク・システムですが、近代医学の研究方法では見つからないものです。言い換えれば、人体を解剖学的に観察しているかぎり、そういうシステムは身体のなかには見出せないのです・・・
東洋医学の治療の基本は、体内の気の流れを順調にし、それを活性化するところにあります。人体科学の第二の分野である気功は、歴史的にみると、道教や仏教の修行法に起源をもつ心身訓練の方法です。心理学的観点からみると、そこには、無意識にかかわるイメージ訓練の性質がともなっています。この訓練にはやはり経路を使います。訓練によって経路を流れる気のエネルギーの性質をより純粋で良質にするという考え方です。この修行法が武術や芸術(舞踊、書など)に応用されて発達してきたのですが・・・
(湯浅1995:26)

道、修行、名人、人間力