天外伺朗さんのページ

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上昇気流が実際あることは、みなさんご存知でしょう。地面が熱せられて泡のように空気があがっていき、その中で旋回していると、ひじょうに高くまで上がっていきます。私は昔、グライダーパイロットだったので、上昇気流の中でよくトンビと競争して旋回していました。

上昇気流の隣は下降気流がありますから、たちまち下降気流にたたき落とされてしまうのです。ですから上昇気流を保って旋回し、いちばん強いところへ徐々に入っていかなければなりません。それをセンタリングといいます。センタリングはものすごく難しくて、そのテクニックはいろいろありますから、グライダーパイロットは一生懸命それを学びます。じつは上昇気流で登っていくことも、羽を広げて何もしないわけではなく、その努力はバタバタ羽ばたいているだけとはちょっと違うというのがポイントです。

じつは、我々の人生もまったく同じで、そういう目に見えない上昇気流のようなものを見つけると、順調にスムーズにいくし、外から見ていると、運命がその人の味方をしているように見えます。ところが、そういう流れに乗れないと、いくら努力してもうまくいかないということがあるわけです。そういうことをほとんど人が感じていると思います。
・・・我々が立てる計画とは別に、もっと大きな計画があり、もっと大きな流れが蕩々と流れていて、それが見えてそれに乗っていくとうまくいくし、それに乗れないとうまくいかないということが確実にあるようです。
・・・ああしたい、こうしたい、コントロールしたいという表面的な意志の力が強いと、そういう見えない流れに逆に乗りにくくなります。あるいは見えない流れが見えなくなってしまいます。
・・・要するに、自分のエゴの方が強すぎて、見えない流れが見えなくなってしまうということが、どうもあるような気がするのです。ですから、どちらかというと、体の力を抜いて心も楽しんでゆったりして、全体的にうまくゆるんでいる状態のときのほうが、見えない流れに上手に乗れるし、どこかに力が入っているときには、うまくいかないような気がするのです。
・・・これは私の経験から言っていることですが、力を抜いている人の方が上手に流れを見つけるし、上手に流れに乗っていけるし、力瘤が入っている人は、その流れが見えなくなっています。・・・では、どうしたら力が抜けるか。これはいろいろな方法がありますが、たぶんそれに対していちばん有効なのは、瞑想をすることなのではないかと思います。