採用面接の信頼性・妥当性

採用面接の信頼性・妥当性は、企業の採用効果を知る上で重要な問題である。例えば一次面接のような場合に、面接を構造化するとどれくらい信頼性・妥当性が高まるかという問いに関しては、比較的、心理測定アプローチを適用することによって把握ができそうである。実際、面接を構造化することによる信頼性・妥当性の向上については、心理測定・統計学的なアプローチによって、数多くの実証研究が存在する。


しかし、面接も最終面接のような場面に近づき、ある人を採用するか、しないかを最終判断しなければならないような面接については、上記のような心理測定法的アプローチ、すなわち統計学的な方法による信頼性・妥当性の検討は難しい。しかし、実証研究が難しいからといって、企業経営にとって重要なこの問題を検討するのをあきらめる必要はない。


代替案として考えられるのは、演繹的な積み重ね、ロジックによる推論である。何らかの形で、すでに効果が確認、了解されている特定の手法から出発し、その手法のロジックを面接にも当てはめることによって、特定の面接手法が優れているということを説明する方法なのである。つまり、効果が確認されている手法の背後にあるロジックのみを抜き出し、それを骨として、面接そのものも設計してみるわけである。


信頼性と妥当性に関しては、まずその意味を理解しておき、それを心理測定アプローチ以外の方法にあてはまるとするならば、何が言えるのかを整理することが望ましいであろう。