この世界の森羅万象はすべて異なっているが、異なっている多様性が成立するためには、全体として1つでなければならない。世界は天と地、一日は昼と夜、天体は太陽と月、人間は男と女とから成り立っていて、陰と陽は万物の基本で、変化の原因もここにある。陰陽は対立しながら相互に依存している。
大極は、分化して万物になるが、万物は1つの大極である。大極が運動したり静止したりすることによって、陰と陽になり、陰と陽が結合、分離して、木・火・土・金・水の5つの要素が生まれる。大極は、両義(陰と陽)を生じ、両義は四象(老陽、少陽、老陰、少陰)を生じ、四象は八卦を生ずる。
陰と陽が「循環」するとき、そこに「時間」が流れる。良いことばかりでもないし、悪いことばかりでもない。循環の範囲内にあっては、次に必ず来るのだから、人はそれを待てばよい。循環は、漸進的変化のみならず、逆転による変化も設定されている。
この世の森羅万象は5つの要素から成立していて、これもまた循環する(五行)。つまり、時間の変化は伝統的には五行の5つの要素の交替として捉えられてきた。木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生む。こして循環する(相生説)。木は土に剋ち、火は金に剋ち、土は水に剋ち、金は木に剋ち、水は火に剋つ。こうして循環する(相剋説)。
参考文献
- 作者: 竹内実
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 1999/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る