組織管理(阪大院) 

Week7: 質問票データの分析

Week7の質問票では、まだOB研究では新しいジョブ・クラフティングという概念を、試しに尺度を作成して実施しました。後半の4問は、仕事の自由度と複雑性を聞いています。ジョブ・クラフティング(主体的にジョブをデザインする行動)を、仕事次元、人間関係次元、心理的次元にわけて測定しています。


そこで、ジョブクラフティングの仕事次元(つまり主体的に仕事のやり方を変えたり作業を加えたりする行動)のみを対象として、階層的重回帰分析という統計手法を使って仕事の自由度と複雑性との関係を調べてみたところ、統計的に有意な結果から、以下のことがわかりました。


(主効果)一般的には、担当する仕事の自由度が大きいほど、主体的に仕事のやり方を変えたり作業を加えたりする傾向が見られる。


(交互作用)ただし、担当する仕事が複雑な業務であるとき、上のような傾向は見られない。担当する仕事が単純作業であるときのみ、仕事の自由度が高いと主体的に仕事のやり方を変えたり作業を加えたりする傾向がみられる。つまり、ジョブクラフティング行動は、単純作業かつ仕事の自由度が高いときに起こる確率が高まる。


サンプル数の少なさゆえ、あくまで暫定的な結論です。過去のアンケートデータも使って、ジョブクラフティング行動に個人差(性格の違い)があるのかないのか、アルバイトにおける満足度などとなんらかの関係があるのかないのかなどについて、追加分析をしてみるつもりです。