組織管理(阪大院) 

Week6: 質問票データの分析

Week6の質問票では、モチベーションに絡んだものとして、就職活動における自己効力感および、目標設定(高い目標を置くかどうか)、それから、モチベーションとは直接関連しませんが、キャリアの計画性について測定しました。


自己効力間の尺度にやや信頼性の問題が見られましたが、あえて分析に使用しました。簡単な分析の結果、キャリアの計画性の高い人ほど(自分のキャリアをどうしていくかの計画を持っている人)、就職活動における自信(自己効力感)が高いであろうということが、相関係数が0.68と高い数値であることから伺えます。


また、就職活動の自己効力感と、目標の高さととの相関が0.37と統計的に有意な値です。つまり、就職活動において自信のある人ほど、自分の実力よりも高めの企業をターゲットにしやすいということで、教科書に書かれている「自己効力感が高いほど、高い目標設定につながる」という記述を支持する結果が出ました。目標が高ければ、成果も高くなるという教科書の記述はこのアンケートからはわかりませんが、そのような結果になることも予想されます。


さらに、week4で測定したパーソナリティ尺度との関連を調べてみると、主体性(プロアクティブ性)の高い人ほど、キャリア計画性が高い、つまりキャリアについて真剣に考える傾向があるようです(相関係数=0.47)。また、Week2で実施した、アルバイトに関するアンケート調査の結果と関連付けると、アルバイトを辞めたいと思っている人ほど、就職活動の目標を高く立てる傾向があるということが、相関係数0.51という値から示唆されます。アルバイトなどで自分の実力を生かせておらず、別のアルバイトを探したいという思いが強いひとほど、実力以上の企業に入社して自分の可能性を試してみたいというような思いがでてくるのかもしれません。