組織管理(阪大院) 

Week4: 質問票データの分析

Week4の質問票では、主体性(プロアクティブ性)、外向性、情緒安定性を測定しています。今回のデータと、先週のデータを関連づけて分析してみたところ、サンプル数が少ないのでなんともいえないのですが、面白い結果が出ました。


それは、主体性の高い人ほど、仕事における総合的満足度が低いという結果です。この両変数の相関係数が、-0.47とかなり高い値です。総合満足度は、やっている仕事の種類によって、つまり状況によって変わるはずですが、パーソナリティとこれだけ相関するということは注目すべき点です。解釈の仕方としては、物事に対して進んで自ら革新していこうとする主体的(プロアクティブ)な人にとっては、いわゆるアルバイトのような(サンプルが学生であるということを考慮して)仕事というのは、本人のパーソナリティとあまりマッチしないため、全体的に満足度が低下しがちである、というところでしょうか。


もう1つ、情緒安定性が高い人ほど、情緒的コミットメントが高いという結果が出ました。この両変数の相関係数も高めで、-0.44でした。情緒が安定している人ほど、職場や組織に対してポジティブな感情を抱きやすく、逆に神経質な人ほど、職場や組織に対してネガティブな感情を抱きやすいということでしょうか。ちなみに、外向性および情緒安定性と満足度(総合満足度も多次元満足度も)とには、有意な関係性は見出せませんでした。よって、このサンプルからは、外向性や情緒安定性といったパーソナリティが、満足度に影響するという(さまざまな研究で指摘済みの)証拠は得られませんでした。