採用選考とパーソナリティ(性格)

採用選考において重視されるのは、もっともシンプルに言えば、能力と性格(パーソナリティ)である。能力には、もっとも基本的な知的能力から、具体的な知識や応用的な能力(コミュニケーション能力など)があげられる。一方、性格としては、誠実性や熱意、人柄などが含まれる。


パーソナリティは、安定的な特徴なので、一度形成されたらたいていは変わらない。半分近くが遺伝という説もある。もし、特定の性格が採用選考で重視されるということが常識となり、かつ定着してくれば、それは、特定の性格を持っている人が採用で有利となる。


それが、実質的に企業利益を高めるのであれば、性格を選考に用いることの大義名分ができるが、それはほんとうなのだろうか。研究として知られているのは、「誠実性」という性格が、あらゆるタイプの仕事での業績と関連があるという調査結果である。これは、誠実性を基準に採用選考をする(つまり誠実性の高い人を好んで採用する)ことの適切さを示すものであるといえよう。


しかし、その他の性格尺度については何が言えるのだろうか。例えば、採用で重視される項目として常に上位に出てくるのが「熱意」「情熱」である。「明るさ」というのもある。この場合、熱意があると面接などで思われるタイプとして、外向的な性格である人が有利である可能性を示唆している。