場の空気を読む技

朝日新聞サイト:Asahiコラムより
http://www.asakyu.com/ima/?id=414

場の空気を読むというのは、簡単に言うと相手を良く知ることです。また集団にあっては全体の雰囲気を把握することです。そのうえで自分にどんな役割りが求められているのかを考えて行動すること。相手をよく観察すれば、場の空気を読むのは、さほど難しいことではないと思います。

初対面の人との会話では、なかなか場の空気を読むことができないかもしれません。・・・まずは自分の緊張を解きほぐすこと。つまり、自分から打ち解けてしまえばいいんです。相手も「いったいどんなやつが来るんだろう」と警戒心を持っています。そこを取り除いてやるわけです。第一声で「イヤー、ちょっと入り口を間違えちゃって、危うく遅刻しそうになりました」なんて、失敗談を話してみてもいいでしょう。そのひと言で相手もリラックスして、その後の会話がスムーズにいくこともあります。

また、いきなりプレゼンテーションで意見を求められたり、集会などで挨拶を振られることもあるでしょう。周りの視線が自分に集中しているときは、誰でも緊張しますね。もしかすると、声が裏返ったり、震えてしまうこともあるかもしれません。そんなときはまず「えっ、私ですか? いきなりでびっくりしました」と言って、場の空気をやわらかくしてから少し間を置いて「私は○○というものです」と話し出すと、意外に落ち着いて話ができるものです。・・・いずれにせよ会議や集会に出席するときは「なにか言わされる」ことを予測して、話を用意しておくのは鉄則です。

場の空気を把握できなくなるということは、相手に配慮ができなくなることです。たとえば相手がイライラしていても、それに気づくことができなければ、自分のペースで話し続けて、相手の気分をますます害してしまいます。相手を思いやれば「少しお疲れですか?」「ちょっと休憩にしましょうか?」という言葉も出てくるでしょう。ビジネスマンに限らず、コミュニケーション能力は人間の基本的な力です。ぜひ、磨いて欲しいものです。(談)