人生の好機

人生の好機をつかむときの経験則は持っている。第一に「これが本当にやりたいことなのか」。真の目的意識が浮かび上がるまでつきつめていくと、見えないものが見えてくる。目的がはっきりしない時はやって来たチャンスに乗る。そこで、第二は「これは面白いか」。知的好奇心を喚起しないものは持続しない。未来は不確実なものであり、見通せない部分については賭けに出ることも必要である。これで、そこそこうまくやってきたと思っている。

日経新聞夕刊 2007/01/05 あすへの話題 一橋大学名誉教授 野中郁次郎