東洋の知

森羅万象、あらゆる事物は陰陽のいずれかに配され、「対」をなして存在している。その対立と統一にyほって世界がつくられている。すべての変化は、この陰と陽の対立と統一から生まれるのである。
しかし、陰はいつまでも陰であり、陽はいつまでも陽に固定されているわけではない。動がきわまれば静になり、静がきわまって動に転化する。あるいは剛が柔になり、柔が剛になる。剛中に柔がひそんでいる。陰陽は無限の変化なのである(常盤 2004:152-153)。


「あるいは陰となりあるいは陽となって無休の変化をくりかえすはたらき、これが道と呼ばれる。その道のはたらきを受け継ぐ人間的努力が善である」ということである。つまり、陰陽の無限の変化を説いたものが易の思想であり、その法則をさして道というのである(常盤 2004:153)。


私自身、易の根本は「変化してやまないものごとや、先の見えない未来に対して、易に集約された自然の法則と教えに従うことで、未来を予想し、予測に即した主体的な人生を送ることができる」という実践的なところにあると考えている(常盤 2004:160)。